* 世界一ついてない日常
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2004年05月29日(土) 真夏の夜の恐怖

その昔よくセミとりに行った。

とれるだけとったら、家に持ち帰り、一室を締め切って、放す。
そして、またつかまえる。
狭い室内だからぼこぼこつかまる。
全部つかまえたらまた放す。

つまりセミのつりぼり状態。
そうやってセミとりの腕を磨くのだ。

最後には全部逃がすのだが…

いつものようにセミとりトレーニングを終え
快い疲れとともに床につく私。

その丑三つ時。

ジ――――――

突然の怪音。飛び起きる私。

ジ――――――

声の主はすぐに知れた。セミである。

6年土の中でじっと耐え、ようやく日の目を見たものの、
さして年の変わらぬ私に弄ばれたセミの復讐劇!!

慌てて電気をつけるがおさまらず、その目の前を横切った黒いもの。
一匹、逃がし忘れていたのだ!

捕まえようにも寝ぼけ頭では勝ち目はない。
それからの時間の、なんと長かったことか。
同じ部屋で寝ていた祖父母の加勢を得て、セミ一匹を追い回す。

ようやく逃がしたセミの後ろ姿を見送って、
そのあとこってりしぼられたのは言うまでもない。


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