2002年02月02日(土) |
正しい不良になるために・基礎知識編 |
彼のお兄さんのところへ行く道すがら、 さっそく彼は私に、不良になるための指導をしてくれた。
「いいか、これがガンつけ、ガン飛ばしだ」 こう? 「なんだよハトが豆鉄砲食らったような顔して。 もちょっと凄みは出せねえもんか?」 ぬぬ…。こうか! 「おいなんか白目になってるぞ。別の意味で怖いだろ」 細める…… 「何ニヤニヤしてんだよ」 ……。結構、難しいですね。 「まあな。みんな練習してんだ。『眩しい』顔すんのがコツだ」 眩しい…… 「もうすぐだぜ。お、おい妙な顔やめねーか! あっ ほら対向車に笑われたじゃねーか!おいこらっ!」
到着した。 「このビルだ。えーと、4階の…花屋の隣だって」 花屋!! 「うるさいそこに反応するんじゃねえ!」 しかも1階はコンビニ!! 「うるさいな!」 階段を上っていきます。 2階は生け花教室!!ねえホントにここが事務所なんですか?! 「うるさいっ!オレも恥ずかしいんだから言うな!」 3階は空手道場…… 「へっ、バイトで護身術やってんのさ。」 でも小学生対象って書いてある。 「黙ってろコンチクショウ!!」 怒鳴られる。 舞台裏は見ちゃいけなかったのかな。
──わかった!
これは警察を欺くための仕掛けですね?! どこかにある鎖を引っ張ると薄暗い秘密の地下室に…… 「…ねえよそんなの。」 え? あっ!これがお兄さんでしょうか。ガタイのいいサングラス。 「おい礼二郎、コイツかい新しい舎弟ってのは」 「いや、舎弟っていうか…」 よろしくお願いします! 「…不良は脅してナンボの世界や。 ひょうたんみてえなその顔、なんとかならんのか」 なんともなりませんね。生まれつきですから。 「広報部ねー…使えっかなー」 「ごめん兄ちゃ…兄貴、オレ、バカだけはどうも苦手で。」 「ああバカはタチ悪いよな」 なんです人のことバカバカって。 「とにかく兄貴に任せるよ。煮るなり焼くなりしてくれ」 あれ、帰っちゃうの? 「バカ。宿題があんだよ。じゃーな!」
さて、かけだし見習い不良の私、 一人ヤクザな事務所に取り残されてしまいました。
てなわけで基礎知識編・完。
|