「CALL ME」PVについて - 2005年01月05日(水) 「CALL ME」PVで何故LOVINSONは戦車に腰掛けているのかずっと考えていた。 PVの意味を考える事なんて、以前「SWEET CANDY RAIN」PVにおいて 何故いちじくなのかをサリンジャーの「フラニー/ズーイー」といちじくの関係について 懸命に考えた挙句に、LOVINSONが何かのインタヴューで 『どうしていちじくなのか自分も判らない。PVのディレクターが持って来たんですよね。』とか 言ってるのを見て、かなりの脱力感に襲われたので、もうそういう恥ずかしい思いは したくないのだけれど、気になるのだから仕方ない。 戦車はたぶん、“人が人の上を目指し”と歌われる、人という種族が追い求める 力や権力の象徴だろうと思う。 その戦車に「ジャストマリッジド」とハネムーンへ向かう 新婚の車につけるかのような空き缶を幾つもぶらさげ・・・あれは祝福の証だろうか? 銃弾が戦車の行く手を脅かす路を装甲の上に腰掛け砲塔にもたれながら、 熱唱するLOVINSONは、神様に “CALL ME CALL ME 電話一本でいつでも呼んでくれ 後悔ないようにしとくぜ”と歌い掛けている。 「いつ死んでも良いぜ」と言うその言葉のままには、私は受け取れない。 『後悔しないように生きたい。このままではイケナイ。』という精一杯の叫びに 聞こえる。 感情を押し殺し非人間的である事をよしとしない、大切な愛するものを 守りたい・・・そういう願いの歌だと思う。 NEWSMAKERの押部さんによるYOSHIIインタヴューでこの歌の出来た背景について 知る事になったけれど、そういう事情を抜きにしても、 この歌は、「神に召される事を容易く受け入れる」というような悟りの歌ではない筈だ。 逆に自分の生きる意味とか使命とか、体の奥底から湧き上がって来る大きな力を 懸命に外へ向けて放散しようとするYOSHIIのアーティストとしての 決意表明のように私は感じた。 今回も「いちじく」の二の舞だろうか? それでも良い。ともかく私はこの「CALL ME」の曲もPVも凄いと思う。 それだけだ。
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