面影を重ねて - 2004年10月07日(木) ジョン・フルシアンテの新作「DC EP」[ 感想:時の谷間]を聴きながら THE YELLOW MONKEYとYOSHII LOVINSONの事を 考えて仕舞う行為は、とても不純だとは思うけれど、鈴木喜之氏のライナーノーツで 「ストイックな東と、奔放な西」という表現に、この歴史的な融合と言っていい程の フガシのメンバーとジョン・フルシアンテとの接点が生み出した音楽の意義の大きさを 感じた。大企業による音楽ビジネスとは一切関わり合いを持たないという活動方針を 強く掲げストイックな姿勢を持つワシントンD.CのフガシとL.A出身で デビュー後ほどなくメジャー・レーベルと契約を交わし「売るための」努力を (初期には強制的にではあったにはせよ)受け入れ、折り合いをつけ、 今や膨大な予算と人員を動かすビック・プロジェクトを担うレッド・ホット・ チリペッパーズは、実に対照的だ。そのレッチリのスター・ギタリストという 重責を見事に果たしながら、一方でたった二日間という短い時間で、 意気投合したミュージシャン達と共に、自由な大らかな雰囲気の中で、 低予算で音楽を作り上げ、膨大な宣伝費も(たぶん)掛けずに、 次々に世界へ発信していくというのは、何て素敵な事なのだろう。 10代で超人気バンドに迎え入れられ、世界のビックバンドの一員たるプレッシャーに、 一度は押しつぶされ、そしてどん底から這い上がって来た男が、 今こうして彼自身がより良い音楽を紡ぎ出す為の最良のバランスを手に入れているという事が 本当に嬉しい。ジョン・フルシアンテに関しては、私は まだほんの初心者ではあるけれど、 彼が快適な創作状況にあって次々に新作を我々に届けてくれる事を心から望んでいる。 そういう快適な状況が、今合宿レコーディング中であるというYOSHII LOVINSONのチームに 適えられている事を切に祈っている。 日本の音楽市場で「売れる」バンドである事を常に望まれ続けたTHE YELLOW MONKEYの名から 解き放たれたのだから、これからは、YOSHII LOVINSONの演りたい音楽を奏でて下さい。 YOSHII LOVINSONでも吉井和哉でも良いけれど、貴方が自信を持って発信してくれる 2ndアルバムを待っています。
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