山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2014年01月19日(日) 映画『ロード・ジム』を見る

 「Load Jim」(1965年、アメリカ)

 原作はコンラッドの同名小説。「英語で読む村上春樹」で、短編「かえるくん、東京を救う」の中で引用されているのがコンラッドのこの小説ではないかという解説があった。小説を読んでみたかったのだが少々入手が面倒だったので、手に入れやすいDVD で映画を鑑賞してみた。
 主演は「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥール。舞台は インドシナ半島のようだが、全般を通してガムランが鳴り響きヒンズー寺院が見えるのでバリで撮影したのではないかと思われる。村長の息子役で伊丹十三が重要なところを演じていた。他に斎藤達雄という人も。

 船員のジムはかつて嵐にあった船の乗客を見捨てて逃げてしまったという過去を背負っていた。そのため各地を隠れるように転々として暮らしていた。

 ある時武器をある村へ運ぶ仕事を請け負う。その村は「将軍」と呼ばれるならず者に牛耳られていた。武器はその将軍に反乱を起こす村人たちのための救援物資だったのだ。ジムはいったん将軍側に捕まってしまうが、隙を見て逃げ出し村人たちと共に戦う。

 戦いに勝ち村人たちを解放したジムだが、船の乗客を見捨てたという過去の呪縛からは逃れることができず、戦いの直前に村長と交わした「村人が一人でも死んだら自らの命で贖う」という約束を守るべく死を選ぶ。一度侵した罪の重さと償うことの難しさを語っている。なぜ死ななければならないと問う仲間に「これは彼らの問題ではない。自分自身の問題なのだ。」というジムの言葉がとても重い。


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