山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2003年08月06日(水) |
【写真付】「ガイジン」さんも入院 |
夕べは午後9時に横になってからさすがに良く眠った。ぴったし午前4時に目が覚めた。昨日のラジオ深夜便「こころの時代」俵萌子の「老後に花を咲かせる」の続きを聞きたかったのかもしれない。ラジオのスイッチを入れると5分間のニュースが終わり、ちょうど4時台の番組が始まったところだ。65歳で突然襲われた乳がん、復帰、交通事故など、彼女はそれを「突然老」と表現する。と、ここまで聞いていたら電池が無くなった。なんということだ。
トイレに起きる。トイレから出ると、出口方向が東側だ。ちょうど日の出が見えていた。オレンジ色の太陽が雲の切れ間からゆっくりと立ち昇ってくる姿は幻想的でさえあった。私は思わず手を合わせ静かに拍手(かしわで」と読む)を「ポン、ポン」とたたき、病気平癒を祈願した。
夜中はぐっすり眠っていたので私は知らなかったが、深夜に急患で騒々しかったらしい。しかも妻の話では「ガイジン」さんらしい。夜中に英語が飛び交っていたそうだ。私はここで、八戸港に入港した外国船の船員が急病になり運ばれたんだなと想像した。
朝食時に一人の看護婦が紙とペンを持てやってきた。いつも定時に患者から聞き取りをしている内容を英語で書いてくれというものだ。三沢ベースの病院から移送されたらしい。若い女性で夫が付き添っている。質問の内容は; ・痛みはある? Do you have any pain? ・それはどの部位? which part of? ・吐き気は? nausea? ・痺れは? feeling of numbness? ・便、尿の回数は? How many times did you have excrement/urine yesterday? 一枚の紙に書いてやった。
しばらくして看護婦さんがまたあわててやってきた。ご主人がなんか言ってるんだけどわからいないので聞いて欲しい、ということだ。彼女は今排尿にトラブルがあるがどうなるのか、というようなことを聞いているようだ。私は看護婦からきいて、排尿を促す注射を二回目は一回目の倍の量にしたので、あと一時間ほどで効果が出るだろう、という内容を伝えた。納得した様子で部屋へ戻っていった。後で何度かその部屋の前を通ったが、このだんな頭を抱え込んでかなりへこんでいる。
リハビリ再開から3日目、今日は担当の高橋先生はお休みなので、昨日あらかじめもらっておいたメニューをこなす。腰の状態はイマイチで、ややもするとまたギクッときそう。気をつけよう。
昨日リハビリへ行く前に主治医の長谷川先生からきいたが、血液検査の結果、治療の影響ではあると思われるが貧血の状態になっている。しかし輸血をするほどまでではないとのことだった。床屋のための外出のお願いをしておいた。
昼食後に長谷川先生がおいでになり、今後の治療を相談した。次はインターフェロンの投与をするそうだ。一般に熱が出るので外出やリハビリとの調整が必要だ。床屋を明日、インターフェロンの投与は来週から一日おきに月水金ということになった。この薬はけっこう副作用が強いらしい。発熱や脱毛だ。
先日「あるある大辞典」でアボカドの効用をやったそうで、それにはまった娘がアボカドを買ってきた。実の割り方、種のとり方などにこだわりながら食べさせてくれた。こだわったわりは掛けるべきレモン汁がなかったりでそのまま食べさせられた。メキシコ原産で非常に栄養価が高い果物であるそうだ。
ドクターがいない間は看護婦がいろんな英語表現を聞きにやってくる。「さっきより良くなったか?」「もっと注射をしてほしいいのか?」「1時間後にドクターが来るが、それまで待てるか?」などなど。適当に教えてやると、「通じた、通じた」と喜んでいた。
午後3時過ぎには櫛引八幡宮の營田稲太郎宮司と山田健二総代長がお見舞いくださった。当初神社では何も知らないでいたところへ、私の母が私の誕生日に病気平癒の祈願をしたので、何事かと大騒ぎなっていたらしい。お二人を前にこれまでの経過と病状についてすべて話した。良くご理解いただけたと思う。帰り際にパソコンで背中の傷の写真を見ていただいた。なんか見せたくなるから自慢しているようなものだ。宮司にはホームページからも見られるから日記も併せて読んでくださるよう話しておいた。
ところでびっくりだが、昨日眠れずに聴いていたラジオで知った俵萌子の仲間たち「1・2の3で温泉に入る会」の人たちが編集した「病気がくれた贈り物」という、会の自費出版本が、昨日メールで申し込んだばかりなのに既に今日届いた。がん体験者65人の手記である。さっそく読んでみたい。
入院してから風子さんに短歌の弟子入りをした。ときどき短歌の指導をいただいているが、形に残しておきたく、今日は「風子の短歌指南」ページを追加した。
「眠れずにじっとベッドに横たわり深夜放送癒しに使う」
「同室の人たちもみな病人(やまいびと)メール打つ手も控えめにして」
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