山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2003年07月21日(月) 真夜中の来訪者

救急病院であるから深夜にも救急車の出入りがある。
零時ごろバタバタと向かいのベッドに運ばれてきた若者がいる。急病人か。何度も咳き込んだり嘔吐を繰り返していた。朝になってトイレに起きた彼は、なんとなく照れくさそうに会釈をしてトイレの場所を訊いた。ずうっと反対側だと教えてやると、点滴のスタンドとともに歩いていった。戻った後、看護婦との会話から察するに、夕べはこいつ急性アルコール中毒で担ぎ込まれたらしい。どおりで照れくさそうにしていたわけだ。でも付き添いは誰もいない。どんな仲間と飲んでいたのか知らないが、薄情ではないか。ていうか、他の入院患者の迷惑だからこういうやつらは来ないでくれー。

さすがに朝食時ごろになったら家族らしい二人がきて握り飯を食いながら患者と話をしていた。盗み聞きをしたわけではないが、どうやらやつは夕べ誰かの結婚披露宴で倒れたらしい。それほど深刻そうでもない。昼食後に「お邪魔しました」といって退院していった。

食事が変わった気がする。これまで朝のご飯も普通のどんぶりに普通に盛り付けてあったので、ずいぶん多いなと思っていたが、今朝は一回り小ぶりの茶碗になっていた。今日だけなのか。昼はサンドイッチだった。量は少なめ。でも、いつも多く感じていたからちょうどいいかも。

昼食後一眠りする。ほんの小一時間だ。目覚めたところへ池本室長が来てくださる。少し前に来たけど眠っていたのでわざわざ時間をつぶしてきてくださったそうだ。放射線治療などでぐったりしているとでも思ったらしい。放射視線はやっていない、化学療法だけだ。
室長は先日ある会合へ市長と一緒に出席したときのことなど、苦労話を面白おかしく教えてくださった。
「今日は普段着でお休みですか?」
と馬鹿な質問を発してしまった。
「山村さん、入院が長くなってずいぶんずれてきたんじゃないの?」
そうだった、今日は休日なんだ。今朝は妻と休日でもシャワーが使えるかどうかという話をしたばかりだったのに、もう忘れていた。
何度もおいでいただき本当にありがたい。

その後、バスケット部OBの上田先輩が来てくださる。今年は東北で優勝できなかったにもかかわらず出場枠があったので全国大会にいけるという話で盛り上がる。(どちらかと言うと盛り下がる。)
「2位でも行くの?飛行機で?俺たちのころは急行列車だった。」
などなど。もちろん悪気はない。笑い話としてだ。

お腹の調子は今日も今ひとつ、二つ。今朝から昼までに4回トイレ(big job)に立った。不謹慎といわれるかもしれないが、土砂災害に例えるなら、鉄砲水ではなく土石流といった具合の出方だ。完全に下っているというほどではない。下剤の調整がそれほどに難しい。今日は錠剤と水薬の組み合わせをどのようにすればよいのか悩ましい。


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