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2012年07月04日(水)
「フェイスブックの友達は、150人程度が信頼関係を保てる限界」

『フェイスブックが危ない』(守屋英一著・文春新書)より。

【私は、フェイスブックの友達が150人を超えたら、友人関係を見直す必要があると考えている。
 米国・ニールセン傘下のNM Incite(2011年12月調べ)によれば、友達リストから削除した主な理由は、「不愉快だから(55%)」「あまりよく知らないから(41%)」が多く、続いて「営業目的だったから(39%)」「気分をめいらせるから(23%)」「反応が少ないから(20%)」「政治的な投稿が多いから(14%)」「別れたから(11%)」となっている。
 いずれにせよ、不愉快な思いをしている人が多いことは、事実だ。
 英国の人類学者ロビン・ダンバー氏は、ヒトがどのくらいの集団規模で生活しているか調べた結果、現代社会で共同生活を営む上での上限人数は約150人である、と結論づけている。
 この結果から私は、「フェイスブックの友達は、150人程度が信頼関係を保てる限界」と考えている。後述の利用者の行動パターンかどうかを分析し、不正アクセスの疑いがある場合に追加の認証手段を用いるリスクベース認証の通称「友達当てクイズ」の観点からも、友達の人数が多すぎるとクイズに正解する確率が下がり、結果的に自分のフェイスブックにアクセスできないという問題がおこりうる。】

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 「現代社会で共同生活を営む上での上限人数は約150人」なのだそうです。
 この数字、パッと見て、「少ない」と思うか、「そんなに多いのか」と考えるのか。
 学生時代、同級生の顔と名前を一致させるのも困難だった(というか、周囲からは僕もそういう存在だったのではないかと思うのですが)僕自身は、「150人って、そんなに大勢、大丈夫なの?」ちう感じなんですけどね。

 『フェイスブックが危ない』を書かれた、インターネットセキュリティの専門家の守屋さんは、これに準じて、「フェイスブックの友達も、150人程度が信頼関係を保てる限界」だと述べておられます。
 ネットワーク上では、学校や職場と違って、「物理的な距離」のことをあまり考えなくてすむので、150人というのは、よりいっそう「現実的に対応できる人数」のような気がします。
 というか、「相手の顔写真と名前が一致するには、このくらいが限界」といったところなのでしょう。

 しかしながら、『フェイスブック』や『mixi』などのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)をやっていると、自分の「ネットワーク上の友人」が少ないと劣等感が刺激されてしまうのです。
 自分の友人が少なく、書いたものにはわずかな反応しかないのに、友人はちょっとしたことを書いただけでも「イイネ!」がたくさんつけられていたりすると、「自分ももうちょっと『ネットワーク上の友達』が欲しいなあ」とか考えがちなんですよね。
 それで、かなり基準を緩くして「友達集め」をやってみると、今度は、不快な言動に悩まされたり、いちいち「イイネ!」と反応するのがめんどくさくなったり……
 
 実際のところ、僕自身も、友人も『フェイスブック』は、一部の自分をアピールするのに積極的な人以外は、「食事のメニュー紹介」と「旅行自慢」にしか使えていないのです。
 「自分や家族のセキュリティ」とか考え始めると、SNSで何か商売でもやろうというのでなければ、そんなに書けることは多くありません。

 もちろん、「友達」が多いのは悪いことではありません。
 でも、「友達を増やしすぎて、かえって何もできなくなってしまう」というケースは、少なくないのです。
 やっぱり、「顔と名前が一致しないような人」を「友達」にしちゃいけないよね。
 自分では、「ネット上だけ」と思い込んでいるのだとしても。