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2011年10月17日(月)
千原ジュニアを驚かせた「タモリさんのサービス精神と開き直り感」

『うたがいの神様』(千原ジュニア著・幻冬舎)より。

【あとはやっぱり、タモリさんです。誰もが知ってる「あたりまえ」の存在になってますけど、「笑っていいとも!」をギネスに載るくらい何十年も、毎日続けるって、めちゃくちゃすごいことです。もう変態ですよね。生態が変わっているっていう意味で、変態。実際いいともにレギュラーで入ってびっくりしたこともいっぱいあります。オープニングのコーナーが終わったら、CM中に「乗ってるか?」「イェーイ」「昨日セックスしたか?」「イェーイ」というくだりを、年中毎日やってるんです。オンエアもされてないのに、びっくりしましたね。他にもあって。「明日も見てくれるかな」「いいとも!」で番組が終わった後、30分間、後説をレギュラーが残ってスタジオでやる。その時も、「ここでもう一人、ゲストで来てもらってます。福山雅治君です」って言って客席がキャー!ってなる。それで、タモリさんが「ちょっとは考えなさいよ。来るはずないでしょ」と言う。そのくだりも、まったくおんなじ言い回しで毎日やってるんです! あのサービス精神と、客席が沸くならおんなじことを何回やったっていいって開き直り感は、ほんまにすごい。しかも、それを毎日やってるタモリさんが、曜日のレギュラー以上に汗をかいてる。】

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 『笑っていいとも』は、毎週日曜日に「増刊号」がありますから、生放送されている本編以外に「おまけ」の部分もあるというのは知っていました。
 でも、この千原ジュニアさんの話を読むと、あの「増刊号」で流れているのは「毎日30分行われている後説」から選ばれた「精鋭」なんですね。

 これを読むと、「番組では流れていない部分」でのタモリさんのサービス精神に驚かされるとともに、「よく同じことをずーっとやっていられるなあ」と思わずにはいられません。

 考えようによっては、「同じネタを毎日繰り返して、高いギャラをもらうなんて、ラクでうらやましい」のかもしれませんが、それを何十年も繰り返すのって、けっこう忍耐がいると思うのです。


 基本的に「同じことを繰り返してお金を稼ぐ」ために芸人になる人はいないと思うし、絶対に飽きますよね。
 せめて、昨日が福山雅治だったら、今日は堺雅人にしよう、とか。

 そんな色気を捨てて、毎日、毎週、毎月、同じネタを繰り返し続けるというのは、まさに「客席が沸くならおんなじことを何回やったっていいっていう開き直り」なのでしょう。
 でも、「まったくおんなじこと」をやり続けていても、いつかはウケなくなるはずだし、タモリさんの側の「熱意」みたいなのが薄れて、投げやりにやってしまっては、いくら「鉄板ネタ」でも、客席の反応は悪くなるはず。

 タモリさんの「やり続ける力」というのは、本当にすごいですね。
 「違うことやりたいなあ」と飽きたり、「たまには変えてみたほうがいいかなあ」と迷ったりしないものなのでしょうか。

 たぶん、こういうのが「名人芸」なんでしょうね。
 こんな話を聞くと、「一度は観てみたいなあ」と思いますから。