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2009年11月30日(月) ■ |
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Twitterには、夢も希望もない! |
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『Twitter社会論』(津田大介著・洋泉社)より。
(巻末の著者である津田大介さんと勝間和代さんの対談「つぶやく力――ツイッターの可能性を探る」の一部です)
【津田大介:確かに名前で商売している人間にとっては、ツイッターで注目を集めることが評判を高めることにもなりますよね。ただ、会社勤めをしている人にはそういう方向では直接的なメリットが見出しにくい。ただ、この本を含め「ツイッターって面白いよ」と報じるメディアは増えつつあって、ITに明るくないビジネスパーソンの目にも触れるようにはなってきてますよね。彼らがツイッターを使いこなすにはどういう訓練を積めばいいですか?
勝間和代:ブログから始めたらいいんじゃないですか。
津田:まずは長い文章から書けと(笑)
勝間:私はツイッター万能論は避けたいと思っているんです。ネットのコミュニケーション能力を養うのはツイッターだけ使っていてもムリ! ツイッターの何が辛いって、津田さんや私たちのようなプロの物書きと同じタイムライン上で140文字てやりあうこと。物を書いたり、編集したりする習慣のない人には、それは難しいですよ。ツイッターはあくまで現実の全局面のほんの一部。バリバリ使いこなしたいなら、むしろ、ブログをキチンと書けるようにするとか、オフ会に行ってもちゃんと話をするとか、いろんな方面からスマートなコミュニケーションのありかたを探るべきだと思いますね。
津田:現実社会ではコミュニケーション下手でもツイッターでは人気者という人は……。
勝間:初期ならあり得ますけど、最終的には淘汰されちゃいますよ。
津田:夢も希望もないなぁ(笑)
勝間:そうですか? だって、インターネットも結局そうだったじゃないですか。一時はテキストサイトの管理人なんかがもてはやされましたけど、結局、インターネットの中だけでの人気者というのはあり得なかった。
津田:確かにネット発で売れる人の多くも、結局はネット上の活動だけじゃなくてそもそも本人の能力が高かったり、面白かったりするから評価されているわけでしょうしね。
勝間:そういうことです。】
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最近話題の『Twitter』についての、津田大介さんと勝間和代さんの「夢も希望もない話」。 自分でHTMLを書かなければ「ホームページ」を作ることができなかった時代から、「ホームページ・ビルダー」などのツールによる「個人ホームページ」全盛期、そして、「ブログ」の一般化と、「個人がネットで発信すること」の技術的な敷居は、どんどん下がってきていることは間違いありません。そして、いま流行の『Twitter』は、「140字の制限があるし、『文字だけの世界』だから、誰でも簡単に書ける」と思われがち。 しかしながら、「技術的な敷居が下がる(誰でもネット上で「発信」できるようになる)」ということは、「競争が激しくなる」ということでもあるのです。 だからといって、【バリバリ使いこなしたいなら、むしろ、ブログをキチンと書けるようにするとか、オフ会に行ってもちゃんと話をするとか、いろんな方面からスマートなコミュニケーションのありかたを探るべきだと思いますね】なんて言われると、使い始める前から、あまりのハードルの高さにうんざりしてしまいそうになります。 ホームページとかブログとかTwitterとか、新しいツールが出るたびに、「この世界でなら、自分も『うまくやれるかもしれない』」と期待してしまうのだけれど、実際は、そんなに甘いものじゃない。 結局、Twitterでも人気になるのは、芸能人とか、もともとブログで有名だった人とかがほとんどですし。 Twitterは、利用者が急速に増えている一方で、「いままでのネットの世界と根本的には同じなんだな」という絶望感も急激に広まっているような気がします。
でもさ、そんなに「スマートなコミュニケーション」が得意なら、ブログ書いたりせずに女の子と遊んでるよ! なんか悔しいよなあ、うーむ。
『Twitter』で僕もつぶやいています。 http://twitter.com/fujipon2
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