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2009年02月05日(木) ■ |
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お祭りのテキヤで売られている食べ物は安全なのか? |
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『週刊SPA!』2008/12/23号(扶桑社)の特集記事「スーパー&飲食店・普段食べてる食事のヤバすぎる話」より。
【スーパーのヤバい話でダントツだったのが、最近の”中食”ブームで需要の高まる総菜売場だった。その現場は凄まじいの一言だ。 「売れ残りや放置で変色した魚肉類や野菜は、すべて総菜になる。断面がカビて黒くなったキャベツも丸洗いしてサラダにするし、ウジが湧いた魚もその部分だけ切り取ってフライにする。さらにヤバいのが調理現場。調理場のハエ捕りリボンにはハエがビッシリ。それが何本もぶらぶら垂れ下がっている。ハエの中にはウジの状態で産む種類があり、リボンに捕まったハエが苦し紛れに産み、床にウジがポトポト落ちる(Jさん・女性・41歳) 「ウチの店舗は24時間営業で、一日4回調理があるので、清掃している暇がない。前日、床に落ちた魚の頭を長靴で踏んづけながらアジフライを作ってるし、厨房も狭いので、肉も魚も野菜も、同じ場所で調理する。あと肉や野菜以外でも、バックヤードで高温放置されてた練り物類も総菜にしてました(Bさん・女性・33歳) Jさんの勤めていた店舗では、夜中に警備会社から緊急連絡が来ることがたびたびあったという。 「昼間、知らぬ間に厨房に猫やイタチが入ってそのまま閉じ込めてしまい、センサーに反応。ここぞとばかりに食品を齧られますけどね」(Jさん) これはもう現場の管理不備としか言いようがないが、専門家が指摘するリスクも大きい。 「調理済みの商品、サラダなどの生食ものと調理前の魚肉が接する環境なのは、絶対アウトです。練り物は、加熱で菌自体は死んでも、増殖の過程で出した毒素が残っている可能性がある」(T氏) とはいえ、現場の環境改善はままならぬようだ。Yさんが嘆く。 「地域型店舗は売り場面積を優先するので、厨房面積の確保が難しい。半面、総菜商品が欠けた状態は売り上げに直接響くので、ハイリスクな作り置きの再加熱をしてでも棚は充実させたい。衛生管理は二の次。総菜売場は『スーパーの最終処分場』なんですよ」 こんな状況を知ってしまえば、総菜売場にはもう行けない!?】
(「お祭りのテキヤで売られている食べ物は安全なのか?」という項より)
【昭和の時代には、食中毒の温床のような扱いを受けていた「テキヤ」だが、実態はどうなのか? 「神農会(テキヤの組合)のヤクザ離れは進んだとはいえ、食中毒を出したらペナルティがあるから、変なことはしないよ。昔は金魚すくいの水で溶いた小麦粉でタコ焼き作ったり、虫のついた粉をフルイにかけて使ったりめちゃくちゃなのがいたけどね。今は野菜にせよ肉にせよ食材はその場で調理するし、すべて加熱するからね。でも、あえて言うなら、客が来ない場所に店を構えてるのはヤバい。神社だったら参道の入り口付近と神殿から離れてる場所。神農会はタテ社会で、いい店は好条件の場所に陣取れる。悪い店は刻みキャベツひとつにしても刻んだ状態で持ってくるし、ショボいクーラー使ってるから肉やイカなんて数時間で溶けちゃうんだ。食って死ぬことはないけど、何よりマズいよね、彼女に食わせちゃダメだよ(笑)」(現役テキヤ業・男・41歳) 意外とマトモな業界なのだ。】
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何年か前にベストセラーとなり、映画にもなった『県庁の星』という小説にも、この「スーパーの総菜売場の舞台裏」が紹介されていたのですが、総菜売場というのはスーパーの看板のひとつであるのと同時に、売れ残った商品を効率的に「活用」するための売場でもあるのです。「違法」ではないとしても、総菜にするために仕入れたものではなく、余ったり、賞味期限が迫っていたり、生で食べるのは危なくなってしまった「生鮮食料品」を「加工」して売っているのは事実ですし。
この記事のなかで、インタビューに答えている「Jさん」の発言にどの程度の信頼性があるのかは疑問ではあるのですが(こういう記事だと、本当にインタビューしたのかどうかもわかりませんしね)、これを読むと、正直なところ、「スーパーで総菜を買うのを控えようかな」という気分にはなります。 でもまあ、「食べ物を扱う現場は、そんなに清潔なところばかりじゃない」というのは、スーパーに限らないんですよね。 このあいだ入ったラーメン屋では、食事中に丸々太ったゴキブリが、僕の目の前の床を悠々と駆け抜けていきましたし。
『ミシュラン・東京版』でも三ツ星に輝いている鮨の名店「すきやばし次郎」の小野二郎さんは、「食べ物屋は掃除がいちばん大事」だと常々おっしゃっておられ、店内はいつもピカピカなのだそうですが、やはり、値段もそれ相応です。
食べ物の舞台裏を気にしすぎても、不安になるばかりで、あまり良いことはないのかもしれませんね。
ここで紹介されている「テキヤ」の話なのですが、文中では「意外とマトモ」と書かれていますが、それはどちらかというと、衛生的な環境であるというよりは、「その場で調理して、すべて加熱する」というように、「供される食べ物がリスクの低いものばかりになっている」からなのだと思われます。 「どこで食べるか」だけではなく、「何を食べるか」というのも大事なことなのでしょうね。 ちなみに、この特集記事で紹介されている「安全な飲食店を見分けるポイント」では、「スタンドアロン(店舗独立)」「上場している」「加工済みを提供(ファストフード店など)」「創業者がオーナー」という店が「より安全な可能性が高い」のだそうですよ。 うーん、要するに「マクドナルドに行け!」ということなのだろうか…… 「あんなに安い牛肉が安全で衛生的なわけがない!」と、以前、小林よしのりさんがどこかで書いていたけれど……
いろいろ考えてみると、「美味しくて安全な高級店」に毎日通えるわけではないし、毎日ファストフードというのも味気ないですから、「まあ、火が通ってれば大丈夫だろ」というくらいのスタンスがいちばんバランスがとれているのかな、という気がします。 調理現場のことは、あんまり想像しないことにして。
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