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2007年11月10日(土) ■ |
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「プラネタリウム解説員」という仕事 |
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『TVBros。 2007年23号』(東京ニュース通信社)の特集記事「初心者でも安心! 秋の天体観測ガイド〜夜の星を見上げてごらん」より。
(「プラネタリウム解説員」の仕事についての「なかのZEROプラネタリウム」で生解説をされている、もちなが氏&だいらく氏へのインタビュー)
【Q.解説員になるには資格がいるの?
もちなが「特にないんです。だから公的機関だと、人事異動で全然関係ない部署の人が解説員になったり」
だいらく「私も小学生時代からこのプラネタリウムに通ってて、手伝ってるうち、気付けば解説員に」
もちなが「僕は天文学専攻だったんですけど、天文学で星座って学ばないんです。勉強したのはこの職についてからでした」
だいらく「ただ、科学館のような専門施設だと、学芸員の資格保有者や理系出身の人が採用されたりしますけどね。実は解説員ってまだ職業として確立されてないんですよ。今ようやく資格を設ける方向へ動き出したようですけど」
Q.解説員の仕事には何があるの?
もちなが「僕らの場合は受付もやるし、パンフレットやHPも自分たちで作ります」
だいらく「細かいところまですべて、自分たちの好きなようにできるのは強みかな」
もちなが「コンサートをやる時は、出演者の交渉までやりますから。実は解説自体の仕事って、ほんの一部なんですよ」
Q.解説内容も自分で考えるの?
だいらく「そうです。星座の説明順は決まってるけど、解説内容はフリートークなんです。だから人によって全然違う!」
もちなが「客層によっても内容を変えますね。例えば、子ども向けの場合だと優しく語りかけたり、一緒に歌ったりして」
だいらく「子どもは返事してくれたり、リアクションが多くて、楽しいですよね」
もちなが「ただ、たまにやたら星に詳しい子や、いたずらっ子がいるんで、そういう時は場内が戦場と化しますけど(笑)」
だいらく「匍匐前進し出す子もいますしね」
もちなが「あと、大人で投映中に寝ちゃって、大きなイビキをかく方もよくいますね」
だいらく「注意しようにも、暗いから震源地が確定できなくて困ったり(笑)」
もちなが「でも、どんな形であれ、お客さんが満足して下さると幸せ。アンケートで、”今夜星を見ようと思いました”とか書いてあると、本当に嬉しいですもん」
だいらく「お客さんからの反応を直で感じられるのが、生解説員の醍醐味ですよね」】
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「なかのZEROプラネタリウム」のサイトはこちら。
実際にプラネタリウムへ行ったことは1回しかないのですが、プラネタリウムで「解説」をしている人たちの仕事っていうのは、「人前でしゃべること」だけではないんですね。 もちろん、こういうのは施設による違いがあって、アルバイトの人が原稿を読んでいるだけ、というところもあるのかもしれませんが、少なくともこの「なかのZEROプラネタリウム」に関しては、かなり多岐にわたる仕事をこなしておられるみたいです。あの解説も「原稿を読むだけ」ではなくて、観客の年齢層や雰囲気に応じて、その場でアレンジされているとのことですし。「匍匐前進している子ども」に対して、どういうふうに対応しているのか、ちょっと興味あります。
星に関する知識を仕入れて人前でしゃべるだけでなく、パンフレンットやHPの作成、受付まで、接客から事務系の仕事まで幅広くこなさなくてはならないというのは、かなり大変なことのように思えます。「営業」と「事務」を同時にやらなければならないわけですしね。御本人たちは、「細かいところまで自分の好きなようにできる」というふうに前向きに考えておられるようだし、そうじゃないとやってられないでしょうけど。
僕もこれを読んでいて、久しぶりにプラネタリウムに行ってみたくなりました。まあ、僕の住んでいるような田舎では、まず夜空を見上げてみるべきなのかもしれませんが。今月は「しし座流星群」が見られるそうですし。
ところで、言われてみれば「大学の天文学で星座って学ばない」ですよね、やっぱり。でも、世間一般の人々のとって、もっとも身近な「天文の知識」って、「星座」なんだよなあ……
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