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2007年10月13日(土) ■ |
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卵の「本当の」賞味期限 |
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『月刊CIRCUS・2007年11月号』(KKベストセラーズ)の特集記事「食い物の正体」より。
(「賞味期限のカラクリ」というコラムから)
【消費期限は、おおむね5日以内に消費しないと品質が急速に劣化する弁当や生菓子類などが対象。賞味期限はハムや冷凍食品など5日以上でも大丈夫なものに関して、風味等の品質が保持される期限である。 「賞味期限の算出法は、製造後、微生物などが一定数発生しだした日数に7掛けくらいすることが多いようです。この設定の加減は、各業者の判断に委ねられているのが現状です(食品表示アドバイザー・垣田達哉氏) だが、メーカーや小売店は賞味期限をかなり短く設定して回転率をよくしようとする傾向があるとか。ジャーナリストの郡司和夫氏は言う。 「賞味期限を短く設定するので、すぐ期限が来てしまう。期限切れのラベルを何度か貼り替え、陳列しなおすケースもありました。卵は17℃の保冷庫にきちんと保管すれば、品質は落ちますが、加熱用なら半年くらい持つものです。以前、京都で採卵後半年の卵が”生食用”として出荷されて大問題になりました。こちらはサルモネラ菌などのことを考えると命にかかわりますから恐ろしいことですが」 消費者の安全よりも売り手のさじ加減で決まる「消味期限」とは何ぞや。】
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冷蔵庫に入れた卵は、いったいどのくらい日持ちするものなのか? これって、かなり悩ましい問題ですよね。 僕のように自炊をする機会がほとんどない人間にとっては、卵というのは殻に包まれていて外見上ほとんど変化がないために(新鮮なものは表面がザラザラしている、と言われますが)、いつまで食べても大丈夫なのか、判断に困ってしまうことが多いのです。 もちろん、買った日から2、3日なら問題ないでしょうし、1年前の卵となれば、そんなに高価なものでもないしやめとこう、ということになります。でも、その「ボーダーライン」を判断するのは非常に難しい。 それにしても、「17℃の保冷庫にきちんと保管すれば、品質は落ちますが、加熱用なら半年くらい持つ」というのには、正直驚いてしまいました。卵って、生で食べるのでなければ、かなり長期間大丈夫なものなんですね。 もっとも、実際には「数ヶ月放置されていた卵」というのは、自分でもいつ買ったのかわからなくなってしまって、食べるのが不安になりそう。 買った日をちゃんと記録しておくようなマメな人は、買った卵を半年も放置しておかないだろうし。
これを読んでみると、「消費期限」に比べて、「賞味期限」というのは、かなり売り手の都合によって左右されているということがわかります。そして、「賞味期限を長く設定する」というのが違法だというのは理解しやすいのですが、実際は「わざと賞味期限を短くする」という操作が行われていることも多いようです。 「あんまり賞味期限が短いと、みんなが買い控えて売れないんじゃない?」 などと僕は考えてしまうのですが、賞味期限を短めにすることによって、商品の回転率を上げるほうが、結果的にはトータルの売り上げは良くなるとのことなのです。 「賞味期限を短く表示する」というのは、確かに「違法」ではないのかもしれませんが、そのために「本来はまだ食べられるはずのもの」が「期限切れ」として捨てられてしまったり、同じ商品の「賞味期限」の表示が途中で貼りかえられているというのは、あまり良い気分のする話ではありませんよね。 それでも、結局のところ普通の消費者には「本当の賞味期限」を知るための手段なんて存在しないので、「信じるしかない」のが辛いところです。少なくとも「賞味期限内に食べれば、危険は少ない」のでしょうから。 いやまあ、そんな表示より自分の目と鼻を信じる、という人もけっして少なくないのかもしれませんけど。
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