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2007年10月03日(水) ■ |
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「それでは、ひろゆきさんの日常生活について聞きます。今日も1時間半、遅刻して来られたんですけど、普段どんな生活なんですか?」 |
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『月刊CIRCUS・2007年10月号』(KKベストセラーズ)のインタビュー記事「『2ちゃんねる』管理人・ひろゆきがCIRCUSにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!」より。
(『2ちゃんねる』管理人・ひろゆき氏へのインタビューの一部です。文:長谷川昌一)
【インタビュアー:それでは、ひろゆきさんの日常生活について聞きます。今日も1時間半、遅刻して来られたんですけど(笑)、普段どんな生活なんですか。
ひろゆき:すみませんでした(笑)。まぁ、日によって違いますけど、昨日だと夕方5時に起きて、7時から飲み会に行って、11時ぐらいに家に帰って寝て、朝の3時ぐらいに起きて、それから朝の9時に寝て、夕方の5時に起きて、それで「すみません、遅れます」とサーカスさんに電話して、今に至るという感じです。
インタビュアー:もう少し、具体的に教えてください(笑)。19時の飲み会というのは、どういう会ですか?
ひろゆき:僕のかかわっている「未来検索ブラジル」という会社とそのプロジェクトにかかわっている会社との合同の飲み会です。
インタビュアー:その会を23時に切り上げて、すぐに帰宅したんですか?
ひろゆき:僕、お酒を飲むとよく寝るんです。でも、その代わり睡眠時間が短くなって、すぐに目が覚めちゃうんです。
インタビュアー:そして、夜中の3時に起床。
ひろゆき:そこから朝まではマンガの『バビル2世』を読んで、朝方にはスターチャンネルで録画しておいた映画の『フィラデルフィア』を見ました。
インタビュアー:そして、朝9時に再び寝たのは、眠くなったから?
ひろゆき:そうですね。
インタビュアー:これは特殊な一日ですか、それとも、普通?
ひろゆき:割と日常に近いですね。『バビル2世』が映画になったり、ゲームになったりする程度の違いですね。
インタビュアー:じゃあ、サラリーマン生活なんてできないですよね。
ひろゆき:僕、朝起きられないんですよ。「朝9時に起きられなかったら死刑」っていうんなら起きますけど。だから「時間通りに来るけど面白くない人」と「遅れてくるけど、面白いことを考えつく人」のどっちがいいですかってことですね(笑)。
インタビュアー:周囲のサラリーマンを見てて、どう思いますか?
ひろゆき:ほかのところへ行ったら楽になるかもしれないのに、自信がないから行かないという人は、損だなとは思います。
インタビュアー:2ちゃんねるの大ヒットで大金を手にしてからも、生活に変化はありませんか?
ひろゆき:相変わらず一般市民って感じですけど。
インタビュアー:金銭感覚は?
ひろゆき:お金を使うのが嫌いなんですよ。普段、僕よりお金を使わない人って、あんまり見たことないですね。
インタビュアー:じゃあ、今一番、お金を使うことって何ですか?
ひろゆき:ゲームを買うことと、終電を逃した時のタクシー代かな。それでも漫画喫茶があればそこに泊まりますけどね。あとは……トルティーヤ・チップスを買うことがあるけど、あれは高い(笑)
インタビュアー:豪邸が欲しいとか、そういう物欲は?
ひろゆき:仮に僕が豪邸を持ったとします。でも、多分生活空間がベッドの上であるということは変わんないと思うんですよ。僕、家にいる時の90%ぐらいはベッドの上なんで。あとはトイレに行くか、風呂に入るぐらい。
インタビュアー:そうすると、広い家の方が逆にデメリットが多い?
ひろゆき:家が広ければ広い分だけ、トイレまでの距離が遠くなるとか、手元に欲しいものがないとか、部屋が暖まるのに時間がかかるとか、デメリットの方が多くなるますからね……。
インタビュアー:じゃあ、今の生活は快適ですか?
ひろゆき:割と。】
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これはなかなか興味深いインタビューだなあ、と思います。今までの雑誌媒体での「ひろゆき」氏へのインタビューというのは、彼の「仲間」「理解者」あるいはその正反対の「批判者」によるものが多いような気がしていたので、この記事での「常識人」であろうインタビュアーと、その質問をひたすらはぐらかす「ひろゆき」氏とのズレっぷりはものすごく新鮮に感じられました。 「ひろゆき」氏の日常生活がここまで赤裸々に明かされるのは、ものすごく珍しいのではないでしょうか。
それにしても、このインタビューでの「ひろゆき」氏の答えは、僕を含む(いちおう)「真っ当な社会人」にとっては、「社会を甘くみやがって! くそ〜うらやましい……」というものですよね。
会社の「看板」でありながら、「眠くなっちゃうから」という理由で23時に飲み会を辞し、雑誌のインタビューに1時間半も遅刻し、【「時間通りに来るけど面白くない人」と「遅れてくるけど、面白いことを考えつく人」のどっちがいいですかってことですね】と悪びれることもなく言い放つ。 いや、「普通の社会人」にとっては、どれも「絶対にできないこと」ばかりです。「時間通りに来る、面白いことを考えつく人」が最強じゃないか!と言いたいけれども、少なくとも僕は、自分が「遅刻によるマイナスを補えるほど面白い人間」ではないことをよく知っています。 「社会」では、「あいつは面白いところはあるんだけど、時間にルーズだからなあ……」あるいは、「役者としては悪くないんだけど、舞台挨拶では『別に…』しか言わないからなあ……」というように、「減点法」で採点されてしまうことも多いですしね。 こういう「自由奔放な生活ぶり」を聞くと、「僕も『ひろゆき』になりたい!」なんて思ってしまうのですが、それが可能なのは、まさに彼が「オンリーワンのクリエイター」だからなのです。今の「ひろゆき」と「時間に正確でインタビューに遅れないひろゆき」がいたら、後者のほうが絶対に重宝されると思うし。 まあ、実際には「ものすごく仕事に没頭している時間」もあるのだけれど、それを人前で語らないのが「ひろゆき」というキャラクターのスタイルなのかもしれません。
それにしても、このインタビューから伝わってくる「ひろゆき」の「頑ななまでの合理性」「物欲のなさ」というのは、なんだかとても不思議に感じられます。他の多くの「IT長者」の生活に比べると、なんだかもう仙人みたいだというか……
ちなみに、このインタビューのなかで、僕がいちばん印象に残ったところを最後に挙げておきます。
【インタビュアー:同世代の男性は将来に対する不安に悩んでいる人が多いのに、ひろゆきさんはまったく感じていないようですね。
ひろゆき:不安って何が不安なんですか?
インタビュアー:まぁ、将来のお金とか。
ひろゆき:多分、そういう人は外国で暮らしたことがないんだと思うんですけど、僕だったら物価の安いところとか海外に行くと思いますけどね。】
ほんと、「身も蓋もない」人ですよね、「ひろゆき」氏は。 でも、「メディアが伝える漠然とした将来への不安」にも踊らされない「自分の頭で考えてみる姿勢」には、参考になるところも多いような気がするのです。
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