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2007年09月15日(土) ■ |
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「ベビースターラーメン」開発秘話 |
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※夏休みのため、しばらく更新はお休みです。 よろしければこちらのブログも御覧ください。
『オトナファミ』2007・OCTOBER(エンターブレイン)の特集記事「ベビースター・クロニクル」より。
(再来年には誕生50周年を迎えるという「ベビースターラーメン」の開発秘話。インタビューに答えているのは、ベビースターラーメンを発売している「おやつカンパニー」の営業本部特別販売部・特販1課課長の中村元洋さんです)
【――”ベビースターラーメン”誕生のきっかけを教えてください。
中村元洋:実は、戦前の松田産業(※おやつカンパニーの前身)は竹細工の製造や、竹を燃料源として供給する竹林業を営んでいたんですよ。ところが戦後間もなく先代社長が「これからは食の時代だ」と、インスタントラーメンの開発に取り組みまして。国内メーカーの中でもいち早く自動生産ラインを立ち上げたんです。
――ずいぶん大胆な方向転換ですね。
中村:ええ。でも当時は技術が未熟で、製品として出荷できないクズ麺がたくさん出たんです。戦後の食糧難の時代ですから、クズ麺とはいえ棄てるのはもったいない。何かに利用できないかと考えあぐねた前社長が、ラーメンスープに漬け、油で揚げたクズ麺を従業員のおやつにしたり、近所の人に振舞ったりしたんです。これが「お金を出しても買いたい!」と思いのほか好評で、「味をつけたクズ麺をお菓子として発売したらイケるんじゃないか」と。それで'59年にお菓子のラーメン専用の生産ラインを完成させ、量産化がスタートしたんです。
――廃棄するしかなかったはずのクズ麺が、、まさか会社の主力商品になるとは!
中村:前社長もそこまでは考えていなかったでしょうね。物不足という時代背景と、当社の企業理念でもある”もったいない精神”がよい方向に作用した結果だと思います。
――これまでに200種類以上のベビースターが発売されたと伺っていますが、新味ひとつの開発から商品化までには、どのくらいの時間がかかっているのでしょうか?
中村:今では生産ラインも確立されていますから、どんな味でも最低3ヵ月くらいで対応できると思いますよ。”フランスパン工房”のように一から開発するものは商品化まで約10年かかっているものもありますけどね。
――中にはヒットに恵まれなかった味なども?
中村:ラーメン丸のお”チョコバナナ味”や”コーヒー味”はダメでしたね。テスト販売まで行ったんですが、まったく売れませんでした。やはりお客様にとって「ベビースター=ラーメン」のイメージが強いようで。甘い味はどの地域でも受け入れられない傾向にあります。ただし、新横浜ラーメン博物館で販売している”チョコラーメン”は唯一の例外です。ココア味の麺をチョコレートで固めたものなんですが、甘い味にもかかわらずご好評をいただいています。】
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僕にとっては、どんぶりを持った男の子が描かれているオレンジのパッケージが印象に残っている「ベビースターラーメン」なのですが、この記事を読んで、まだまだバリバリの現役なのだということを知って嬉しくなってしまいました。最近はすっかり食べなくなってしまいましたが、現在の白っぽいパッケージ、そういえばコンビニなどで見かけたことがあるような気がします。ちなみに、あのオレンジのパッケージから、今のパッケージに「リニューアル」されたのは1988年なのだとか。
1959年に発売された”ベビーラーメン”が、1973年に改名されて”ベビースターラーメン”になったそうなのですが、今でこそ当たり前のようにみんなが呼んでいる”ベビースター”っていう名前の「スター」って、不自然といえば不自然ではありますよね。なんでわざわざ「スター」をつけたのでしょうか? 「ベビーラーメン」のほうが、商品の本質には近いはずなのに、なんとなく、あの「スター」がなければ、ここまでの大ヒット商品にはならなかったのではないか、とも感じるのです。
僕が最初に”ベビースターラーメン”を食べたときに感じたのは、確かに「カップラーメンの切れっ端みたいだなあ」ということだったので、中村さんへのインタビューを読むと、"ベビースター”の前身は、まさに「クズ麺」だったというのは感慨深いです。それにしても、50年近く昔の食糧難の時代から、現在の飽食の時代まで愛されてきた”ベビースターラーメン”というのは、本当に息の長い商品です。シンプルだから、かえって飽きられないのかもしれませんし、あの細い麺をポリポリと噛み砕く快感は、確かに、他のお菓子にはないものではありますよね。麺類というのは、軟らかくてスープに浸かっているものだ、という先入観を持っていた僕たちにとって、「固い麺をかじる」というのは、ちょっと勿体ないような感じもしましたし、違和感もあったのです。
そういえば、当時は「生でも食べられるし、そのままお湯をかけるとカップラーメンになる」なんていう似たような商品もありましたよね。 お湯かければラーメンになって、一食分浮くのになあ……そのまま食べても、おやつにしかならないし……などと悩みながら、あっという間に食べてしまうものなんですよね、”ベビースターラーメン”って。
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