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2007年06月30日(土) ■ |
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藤原紀香・陣内智則の「格差婚」戦略 |
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『ダ・カーポ』609号(マガジンハウス)のコラム「トヨザキ社長、今日もおかんむりですか?」(文・豊崎由美)より。
(藤原紀香さんと陣内智則さんの結婚披露宴について)
【いつからこんなに高い女になったんでしょうか、藤原紀香は。K−1好きのB級女優だとばかり思っていたのに。ボンドガールを夢みるだけあってプロポーションはいいけど、派手な顔立ちに比して、スターの華には著しく欠けるタイプっつーんですか。テレビ局に5億円の披露宴をしてもらうほどの玉じゃなかったと思うんだけどなあ、ほんの1年くらい前までは。 これって、つまり亭主となった陣内智則に格を”底上げ”してもらったってことなんでしょうね。わたし自身はご両人の芸能界におけるステイタスにそんな開きはないと思うんですが、陣内自ら「格差婚」とか言って卑下しまくっているうちに、それまでは芸能界ランク289位くらいのビミョーな地位にいた紀香が、特にドラマや映画の話題作に主演したわけでもないのに、するするっと30位くらいにまで上がってしまった。そんな感をうける今日この頃なんですの。 本来、藤原紀香・陣内智則の芸能界で人気比は、多分3:2くらいで紀香が若干強いくらいだと思うんですね。ちなみに紀香と伊東美咲だと1:7。ま、そんな程度の女優なわけです。ところが、ご両人並びにマスコミが世間に流布させている比はといえば10:1、そのくらい格差のあるカップルの結婚だという話にしちゃってる。 で、招待客の一番の大物が島田紳助で、席のほとんどは吉本興業のお笑いタレントで占められており(しかし、明石家さんまやダウンタウンのようなビッグな芸人は見当たらない)、郷ひろみが「お嫁サンバ」を歌い、陣内が新妻のためにピアノで弾き語りをし、引き出物に紀香のエッセイ集が混じっているといった、かなり趣味の悪い、うっすら場末感すら漂う披露宴が執り行われ、それがテレビで放映されるや関東地区24.7%、関西地区40%なんて高視聴率を取っちゃった。1年前の紀香なら考えられないような現象でございましょう。】
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いやほんと、知り合いの披露宴でさえ、「せっかくの休みの日にめんどくさいなあ……」なんて愚痴っている人も少なくないというのに、芸能人の結婚式は観てみたい、という人は相変わらず多いみたいです。テレビで観るだけなら、御祝儀も要らないしね。
おめでたいことですから、そんなのおかんむりになられなくても、とトヨザキ社長には申し上げたいところではありますが、これを読みながら、確かに、藤原紀香さんと陣内智則さんって、世間で言われているほどの「格差婚」なのだろうか? と僕はあらためて疑問に感じてしまったのです。
確かに紀香さんのほうが「一般的な知名度が高い」ことは間違いないでしょうが、陣内さんも『エンタの神様』への出演などで近年はかなり売れてきていますし、そもそも、紀香さんはこの結婚が話題になるまでは「知名度は高いけれど視聴率が取れない女優」だとさんざん言われてきたんですよね。けっこういろんなドラマに出演してはいるけれど、いずれも「代表作」と言われるような結果は出せていないし、考えてみれば、紀香さんが出ている番組で最も記憶に残っているのって、「K−1中継」だったりするわけです。
実際にあの結婚式を盛り上げていたゲストの多くは陣内さん側の吉本興業の芸人たちでしたし、この二人、世間で言われているような「格差婚」じゃないと僕は思います。むしろ、「陣内と結婚してあげた藤原紀香」「紀香に結婚してもらった陣内智則」というキャラ設定で、2人はそれぞれイメージアップしているわけですから、これって「格差婚」を利用したプロモーションに、世間がみんな乗せられているだけのような気がします。 しかし、芸能人って本当にしたたかだというか自意識過剰というか。 新婦のエッセイ集が引き出物に混じっていたら、みんなかなり引くと思うんですけど。
そもそも、「格差婚」なんて言葉がネタになるのは、実際はそんなに「格差」が無いとみんなわかっている場合だけなんですよね。宮崎あおいさんと高岡蒼甫さんにそんな言葉を投げつけたら、全くシャレになりませんから。
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