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2007年04月14日(土)
「ネットの書き込みを1文字100円にします!!」

『ダ・ヴィンチ』2007年5月号(メディアファクトリー)の「『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』…特集」より。


秘書田中のお気に入りマニフェスト

 インターネットは誰もが気軽に世界に情報発信できる場となったが、同時に危ない情報も垂れ流される場となってしまった。書き込みには匿名の悪口や誹謗中傷があふれかえっている。しかし、取り締まって表現の自由を侵すことになっては問題だ。そこで……

 ネットの書き込み1文字100円にします

 実現すると、こんなに明るい日本が待っています!
(1)お金がかかるので無意味な誹謗中傷が激減。
(2)掲示板はお金を払ってでも伝えたい本気のメッセージであふれる。
(3)読む側も「お金を払っているのなら」と正面から受けとめるようになる。
(4)無駄遣いしないように必然的に漢字も多くなり、要点を考えて整理する習慣もでき、文章力も上がって、日本国民の文化がレベルアップ。
(5)徴収されたお金は福祉に使われて、福祉も充実する。

 悪意のある書き込みは教育することによって根絶することができる。お金を取る必要はないと反論する議員たちと太田総理が激論を戦わせる。

太田総理のコメント「表現するというのは、大の大人が一生かけてやること。そんなこと教育できるのか? 天才的な芸術家だって一生かけて学ぶんだ。答えが出ないで死んでいった人もたくさんいる。それくらい表現は難しい。それを子どもに分からせることなんてできない」】

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 この「マニフェスト」は、2006年4月14日に放送されたものだそうなのですが、審議結果は、賛成8/反対14で「否決」されています。まあ、ネット上で誹謗中傷されやすい芸能人や政治家が審議していてもこの結果ですから、実際にこういう法案が出てくることはなさそうですけど。こんな法律がもしできたら、僕などはもう借金地獄に陥るか欲求不満で何もやる気がおきなくなってしまうかのどちらかになりそう。
 しかしながら、この法案、必ずしも「荒唐無稽」というわけでもないんですよね。ブログなんて、ちょっと気合を入れて書けばすぐ1000文字くらいになってしまいますから、「1文字100円」というのはさすがに高すぎるとは思うのですけど、確かに「有料化」されることによって、ネットに溢れている「ノイズ」は少なくなるのかもしれないな、とも思います。ただ、「お金が無い人の発言する機会が失われる」とか、「発言する側も『儲からない発言』はしないようになる」というようなデメリットも考えられますが。「お金を払ってでも伝えたい本気のメッセージ」って、出会い系サイトの宣伝ばっかりになったりしそうだし。
 でも、もしこれが「『100文字1円』とかだったらどうだろう?」という気もするのです。1000字書いて10円とかだったら、僕は払って書くと思います。某巨大掲示板の住人たちは、「書き込み有料、ただし安価」であった場合、書き込まなくなるのでしょうか?
 まあ、この先どうなっていくかはわかりませんが、今の時点では、なんのかんの言っても、「無料」で「無意味な誹謗中傷が溢れている混沌とした雰囲気」だからこそ楽しい、と考えている人は多いはず。そう簡単に「有料」になることはないでしょう。芸能人や有名人でなければ、「叩かれる側」になることはほとんどありませんしね。動物虐待画像とかを晒して逮捕された人の話もあるので、「叩かれるのが快感」な人もいそうなんですけど。

 しかし、よく考えてみれば、僕たちがこうしてネットに書き込んでいるのって「電気代」「プロバイダー接続料金」「パソコン購入費」などを考えれば、けっして「無料」ではないんですよね。日頃はあまり意識しないようにしているけれど、「1文字100円」ではないとしても、「ネットの書き込み」には、それなりのコストがかかっているのです。その「コスト」に見あったメリットがあるかと問われたら、ちょっと悩んでしまうよなあ。

 お金では買えない「時間」も呆れるほど費やしているというのにねえ……