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2006年11月15日(水)
なんとなくじゃない、クリステル。

「ダ・カーポ」595号(マガジンハウス)の特集記事「女性ニュースキャスター・研究&採点簿」の「人気ナンバーワン、滝川クリステルのすべて」より。

【滝川クリステル。通称、滝クリ。父をフランス人に持つその美貌、どこかアンニュイな語り口調。時に「やる気がないのか?」ととれるような気だるいオーラが、逆に、疲れて帰宅したビジネスマンに好評なのだ。
「あの和洋折衷なルックスにグッとくるんですよね。ニュース原稿の読みはしっかりしているし、落ち着いている。視聴者は癒やされ、”クリオタ(ク)”状態になっている。なにより”上目遣い””カメラ目線”というのが絶大な効果なのです」
 とは、芸能ジャーナリストの平林雄一さんである。また、自身のブログで毎晩の滝クリファッションを分析している会社員のfunaponさん(31)は、こう評している。。
「ボクはあの声が好きです。声質が落ち着いてて。それから、たまに見せる笑顔と、口をぎゅっと締めたときの顔でしょうか。他のアナウンサーと違って、終始緊張感ある表情ではないところもいいです。ちょっとした瞬間に見せる緩んだ表情が、キャスターらしくなくてかわいらしく感じますね。

(中略)

 最近、滝クリは、”45度の女王”と呼ばれる。カメラに向かって正対する報道番組の常識を破っての、”斜め座り”。3年前の番組スタート時からこの斬新なスタイルをとっている。
 この「45度」に秘密がある。名画「モナリザ」と同じ45度なのである。聞けば、番組スタッフが「一番美しい角度」として、欧米のニュース映画のスタジオセットや映像作りを参考にしながら綿密に計算したらしい。
「セットのイメージは『サンダーバードの秘密基地』だそうです。背景は、間接照明を使ったような感じで少し暗い。映画でも大ヒットしたドラマ『踊る大捜査線』の美術スタッフが細部にまでこだわって作り上げた」(フジテレビ関係者)
 仕掛けは他にもある。滝クリの右斜め前には男性キャスターが、左斜め前にはカメラがある。その陣形を図にすると二等辺三角形になる。
「普通は女性キャスターと男性キャスターとは横並びで”直線的”な会話ですが、変則的な配置にすることで視聴者を番組に参加させている感覚にさせる狙いがあるのです」(同関係者)
 滝クリに誘われている、引き込まれるような錯覚に陥るというのだ。】

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 僕も23時台にニュースを観るときには、この『ニュースJAPAN』を観ることが多いのです。この特集記事によると、いまや、23時台のニュース番組は『ニュースJAPAN』のひとり勝ち状態なのだそうです。まあ、他局は山本モナさんが「自滅」したりもしていますしね。
 滝川クリステルさんを最初に観たときには、正直言って、なんだかすごく緊張しているみたいで(たぶん、あの上目遣いのせいだったのでしょう)、そんなにニュースを読むのも上手くないし、この人、どのくらいもつだろうな……という印象でした。確かに「なんとなく気になる人」ではあったのですが。
 それがいまや、滝川さんは高島彩さんと並ぶ「女子アナ2強」のひとり。
 しかし、この記事を読むと、この「滝川クリステル人気」は、偶然の産物ではないということがよくわかります。滝川さん本人の魅力もさることながら、『ニュースJAPAN』という番組そのものが、「滝川クリステルさんを視聴者に印象づけるような番組作り」をしているみたいなんですよね。
 僕は今までそういう視点で観たことがなかったので気がつかなかったのですが、確かに滝川さんは、視聴者に対して「45度」で、松本さんより視聴者に近く見えるような場所に座っているんですよね。僕がなんとなく感じていた「違和感」の正体は、滝川さんの泣き笑いのような表情ではなくて、この独特のレイアウトだったのかもしれません。
 
 【「(『ニュースJAPAN』の)セットのイメージは『サンダーバードの秘密基地』だそうです。背景は、間接照明を使ったような感じで少し暗い。映画でも大ヒットしたドラマ『踊る大捜査線』の美術スタッフが細部にまでこだわって作り上げた」】なんていう話を読むと、もう、ニュース番組だからといって、ニュースの内容やキャスターの実力だけで勝負する時代ではないのだな、ということを痛感させられます。それが「正しい報道姿勢」なのかどうかはさておき、実際に「結果を出している」のは、まぎれもない事実。
 どんなに素晴らしいニュースでも、視聴者に観てもらえなければ、「伝わらない」ですしね。