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2006年10月03日(火) ■ |
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「アタック25」カンニング男と「クイズ番組の実力主義」の嘘 |
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ZAKZAKの10月3日の記事より。
【朝日放送(大阪)の長寿番組「パネルクイズ アタック25」で優勝した公立大医学部の少年(19)が、同番組の予選で「カンニングした」とネット上の日記に書き込んでいたことが3日、分かった。少年は賞金15万円と豪華景品を獲得。だが、自ら不正を暴露したことでネット上や予選敗退したクイズファンからは「詐欺だ」などと怒りの声があがっている。
少年は最近放送された番組に出演。15枚のパネルを獲得し、優勝した。番組終了直後、匿名掲示板にソーシャルネットワークサービス「mixi(ミクシィ)」のアドレスが書き込まれ、少年が6月19日午後に記載した日記の内容がリンクされていた。
「アッタクチャンス2」と題された日記の中で少年は「筆記試験受けてきましたよー」と予選の模様を振り返る。会場にいたクイズマニアを「気持ち悪かった」とバカにした上で、「自分は半分も解けませんでした」「勝つときは少々汚いことをしてもいい」と勝手な言い訳をし、「カンニングしました(笑)」「フツーに勝ちたいし、勝てばネタになるし。その結果 筆記通りました(爆)」(原文通り)とインチキの一部始終を自ら暴露した。
少年はすぐに日記を削除したとみられるが、ネット上の掲示板では現在も、「詐欺だ」などとカンニングを非難する議論が巻き起こっている。
実際、少年は番組で優勝はしたものの14問目で初めて正解し、好位置の「角」のパネルを獲得。運良く、他の学生のパネルを手中にしていった。
6問の正答に対し、誤答は7問。誤答では「北極圏内で1年の大半が凍結した大地を何というか」に「フィヨルド」(正答・ツンドラ)、「衆院は解散の日から何日以内に総選挙となるか」に「15日」(正答・40日以内)。そして「金産出量日本一の菱刈鉱山は何県にあるでしょう」(正答・鹿児島県)に「北海道」と答え、最近人気者になっている司会の児玉清さんに「またお立ちだ」と突っ込まれるほどだった。
優勝者のみが挑戦できる「充実のオーストリア・パリ9日間」獲得クイズは「国東半島」を「地元だから三浦半島」と答えてはずれたものの、パネル獲得分の賞金15万円と全国共通お食事券10万円分、ダイヤモンドネックレス、小型DVDプレーヤーを獲得した。
降って沸いたようなインチキ疑惑にかつて同番組の予選で敗退した男性会社員(29)は「誤答が非常に多かった。実力のない人が出てはいけない。予選はカンニングをしようと思えばできるが、そこまでして出場したくない。クイズが好きな人間にとって意味がない」と表情を曇らせる。
番組を制作した朝日放送広報部は「mixiの日記は本人のもの」としたが、カンニングに関しては「本人(少年)に確認を取ったが、2度否定した。予選を受けて通っただけでは面白くないので仲間内のウケでああいう表現をしたと話している」と疑惑を全面否定。同社は少年の弁を信じてこれ以上、追及しない方針を固めている。
また、少年が通う大学は「本人から事情聴取をする予定」(広報担当)と話している。】
参考リンク:アタック25で不正発覚?
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事実だとしたら、真面目に「挑戦」している他の応募者たちや視聴者には、失礼千万な話ではあるとは思うのですが、僕はこれを読んで、ちょっと疑問に感じてしまいました。 「アタック25」の予選って、そんなに簡単に「カンニング」できるの?って。
いや、高校や大学の入試のように、試験監督がついていてキッチリ見張っているというようなものではないのかもしれませんが、「アタック25」に出る問題って、そんなに奇抜なものはないし、特別な傾向があるようにも思えません。検索ができるパソコンセット一式でもあればかなり有利でしょうが、他の人たちと一緒に予選の筆記試験を受けたのだとしたら、一体どうやって「カンニング」したのでしょうか。それこそ、確実にカンニングをして勝とうとするならば、「パソコン」がムリなら「最近の新聞・雑誌」「百科事典」「現代用語の基礎知識」などを山のように積み上げておかなければ対応できなかったはずです。あらかじめ問題がわかっているのなら、他の人に気付かれないように小さな紙にでも書いておいた答えを見ることも可能でしょうが、そうでもないかぎり、他の参加者に疑われずに「カンニング」するのは、ほぼ不可能なのではないでしょうか。クイズマニアは、他人の不正にも厳しそうだし。
まあ、実際はカンニングをしていなかったとしても、「李下に冠を正さず」なんていう言葉があるように、自分から疑われるようなことをmixiに書いてしまったことは、確かに「失態」ではあるのでしょうけど。 そして、この記事では、【6問の正答に対し、誤答は7問。誤答では「北極圏内で1年の大半が凍結した大地を何というか」に「フィヨルド」(正答・ツンドラ)、「衆院は解散の日から何日以内に総選挙となるか」に「15日」(正答・40日以内)。そして「金産出量日本一の菱刈鉱山は何県にあるでしょう」(正答・鹿児島県)に「北海道」と答え、最近人気者になっている司会の児玉清さんに「またお立ちだ」と突っ込まれるほどだった。】なんて書かれていますけど、もし自分が「アタック25」に出演していたとして、あの解答席でこの問題に正しく答えられるか?と問われたら、僕は全然自信がありません。この3問でも「ツンドラ」しか答えがわからなかったし。 彼が「お調子者」で「失敗を恐れないタイプの人」であるというのは間違いなさそうなのですが、本当に「不正」をしたのかどうかは、僕は疑わしいと思っています。一応、6問も正答していますしね(7問間違えたらしいけど)。もしかしたら、みんな「釣られている」のかもしれませんよ。
ところで、「実力のない人が出てはいけない」という人のコメントが載せられているのですが、それは本当に「正しい」のかどうか? 僕は以前「ギミア・ぶれいく」という大橋巨泉さん司会の番組で、「史上最強のクイズ王決定戦」という企画を観たことがあるのですが、その番組に出てきた「クイズ王」たちは、「フランス革命の〜」と問題が読み始められた時点で早押しボタンを押し、「ナポレオン!」と正答してしまうのです。彼らによると、過去のデータから、「フランス革命『の』」で問題が始まると答えは「ナポレオン」で、「フランス革命『で』」から始まると「マリー・アントワネット」が答えになるのだとか。 いや、これはこれで、「究極奥義」どうしの対決は興味深かったのですけど、すべてのクイズ番組が「完全実力主義」になってしまうと、視聴者にとっては「面白くもなんともない」ものになってしまう可能性が高いのではないでしょうか。もし「アタック25」に彼らが出現して「超早押し」を連発すれば、会場もお茶の間も、かなり寒々しい空気で満たされるでしょう。視聴者参加型のクイズ番組が減ってしまったのも、そういう「一般解答者」と「クイズ王」との格差があまりにも開きすぎてしまったことが一因だと言われています。「実力主義」とか言うけれど、真の「クイズ王」たちは、もう、普通のクイズ番組には出られないのです。やっぱり「テレビで映えるか」なんていうことも予選のあとの面接で確認したりするようですし。
観ている側としては、「またお立ちだ」と突っ込まれるような解答者がいたほうが、「こいつバカだなあ!」と面白がったりもできるわけで、所詮、テレビ番組には「演出」がつきものだと割り切ってしまったほうが良いのかもしれませんね。
しかし、どんな問題だったか観ていないのでわかりませんが、「国東半島」なんて、地元の人じゃないと名前すら浮かんできそうにないですよね。 相変わらず「海外旅行獲得クイズ」の問題は難しいなあ……
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