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2006年07月16日(日) ■ |
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『じゃ2000円でいいよ』と言ってもらえるようなサイフ |
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「ほんじょの鉛筆日和。」(本上まなみ著・新潮文庫)より。
(「おとなのサイフ」という項より)
【それがね、前の年の末に、4年越しでようやくデートすることができた人がいたのだけれど、ゴハン食べに行く約束したのはいいがその生活感ありありのしょっぱいサイフを出すのがものすごく恥ずかしくて、そのときこれじゃダメだとついに自覚したのです。 CM撮影で鼻息も荒くハワイへ。いつも親切なスタイリストのHさんが買い物について来てくれた。 彼女は言いました。「まず、チャックはぶさいくの原因になるからダメ」。「小銭入れと札入れの2つ持つのは男前すぎるからダメ」。さらに「あんまり大きくて恰好いいのは金払いが良さそうでおごってもらえなくなるからダメ」。 「ワリカンにしましょう、とサイフを出しても『あ、じゃ2000円でいいよ』と言ってもらえるようなものを買いなさい」だって。 フムフム。さすがお姉さん、タメになるお話をたくさんしてくださる。 あちらこちらをにらむこと30分、ようやく『コーチ』のちび赤財布に決定しました。おそるおそる「赤いのってあんまり良くないんじゃ……」ってHさんに聞いたら「ふー、そんなの迷信に決まってるじゃない!」だって。頼もしい!】
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サイフって、そんなにしょっちゅう買い換える必要があるとは思えないにもかかわらず、デパートでは、いつも「サイフのセール」が行われているような印象があります。僕はだいたい立派な財布は使わないのですが(一時期は、サイフを持っているとサイフごと失くすので、財布を使うこともやめていたくらいです)、世間の人たちは、ここまでサイフにこだわっているのだということに、ちょっと驚きました。僕の場合は、色どりとか形状がとりあえず気に入ったやつを使えばそれでいい、という感じなので。 それでも、「お金が貯まるサイフ」なんていうのを見ると、それはそれで心が動かされてしまったりもするので、僕もあまり人のことは言えないのかもしれませんが。でも、本当にお金を貯めたければ、そのサイフを買うお金を貯金しろよ、とも思いますけどね、やっぱり。 女性の場合、こだわりはじめると、男性よりもはるかに「サイフの購入時に気をつけておくポイント」というのは多いようです。「ぶさいく」じゃダメだけれど、あまりに立派過ぎると相手に引かれてしまうこともある。そりゃあまあ、僕がヨレヨレのサイフを出している横で、彼女がエルメスの分厚いサイフなんてサッと出してきたら、「ここは僕が払いますよ」なんて言うのも、確かにかえって恥ずかしい。 しかし、本上さんが「4年越しでデートできた、しょっぱいサイフを出すのも恥ずかしかった人」というのは、いったいどんな人なのでしょうね、僕はむしろ、サイフよりもそれが気になってしかたありません。 恋は、サイフに宿る。
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