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2006年06月21日(水) ■ |
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「カツカレー」と呼ばれていた、人気お笑い芸人 |
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「週刊アスキー・2006.6/27号」の対談記事「進藤晶子の『え、それってどういうこと?』」より。
(書き下ろし小説「陰日向に咲く」がベストセラーになっている、劇団ひとりさんと進藤さんの対談の一部です)
【進藤:コンビを解散するとき、ひとりでやるか、別の方を探すか、選択肢があったと思うのですが。なぜひとりでやろうと思われたんですか?
劇団ひとり:解散する前、お遊びでひとりでライブに出てたんです。キャラクターショーみたいな感じのネタで。それがエライ評判がよくて、プロデューサーの人からも、こういうほうが向いてるんじゃないかって話になって。それから2、3ヵ月後、相方が借金をつくって、夜逃げに近い形でいなくなっちゃったんですが。
進藤:ありゃ!
劇団ひとり:それで解散することになった夜、先輩のデンジャラスの安田さんに「いい相方が見つかるまでしばらく考えます」って言ったら、「そういうヤツはたいてい、消えてく。なんでもいいから、明日から動いたほうがいいぞ」って言われて。その言葉は非常に僕にピッタリで、いままでもだいたいそうでした。様子を見て、待ってる間に「まあいいか」って、熱が冷めてなにもしなくなっちゃったり。だから、なにも決まってなかったけど、1歩目を踏み出そうと思って。それで、Yahoo!の掲示板に「スープレックス」というコンビをやってましたが、解散したんで芸名を決めてください」って書き込んでみたんです。
進藤:なになに、公募だったの?
劇団ひとり:そのときは結局、”カツカレー”って名前になりました。いろんな名前を出してもらったなかで、いちばん人気だったのがカツカレー。6票くらいでダントツ1位でした。
進藤:脂っこい名前ですね(笑)。
劇団ひとり:ええ、事務所にも「カツカレーじゃちょっと仕事を取ってきづらい」と言われて。それで、いろいろなキャラクターをひとりでやるから”劇団ひとり”ということに。】
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このインタビューによると劇団ひとりさんは、パソコンが大好きで、今は"YouTube"にハマっているそうです。5年くらい前には、”2ちゃんねる”によく自分で「劇団ひとりっていうのが面白い」なんて書き込まれていたのだとか。なんだか親近感が湧いてくる(?)話ではあります。 ちなみに、この"YouTube"に対する進藤さんのリアクションは「なんですかソレ?」というものなのが、パソコンマニアと世間一般とのギャップを痛切に感じさせてくれました。
それにしても、劇団ひとりさんが、まさに「ひとりぼっち」になってしまったときの先輩のアドバイスというのは、本当に身につまされるものがあります。もしそのとき劇団ひとりさんが、「いつか良い相方が見つかるのを待って」いたら、確かに、そのまま消えてしまっていた可能性は十分あると思うのです。やっぱり、そんなふうに一度立ち止まってしまうことによって、いつのまにか「勢い」とか「情熱」というのは、失われてしまうのですよね。そして、一度失ってしまったものは、もう元には戻りません。 でも、このときに劇団ひとりさんが実際に「動いた1歩目」が、「Yahoo掲示板で新しい芸名を募集した」というのは、いかにもパソコン好きらしいといえばらしいエピソードではありますが、なんとも微妙な「動き具合」のような気もします。そういう人を食ったようなところが、持ち味ではあるんでしょうけど、それってほんとに「1歩踏み出した」ことになるのでしょうか……
残念ながら、実際にそこでトップになった「カツカレー」は、結局陽の目を見ることはなかったみたいです。まあ、僕が事務所の人でも「カツカレー」を売り込むのは、ちょっと辛いだろうなと感じますから、致しかたないところですが。 もしかしたら、このインタビュー記事を読んで、あの「カツカレー」が「劇団ひとり」だったのか!と驚いている人も、どこかにいるのかもしれませんね。
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