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2006年05月18日(木)
mixiにおける仁義無き情報戦

「週刊アスキー・2006.5/23号」(アスキー)の読者投稿のページ「週アス女子部」より。

(千葉県のpSeries690さんの投稿です)

【SEをしている男子です。姉もミクシィをやっているとは風の噂に聞いていたんですが、そこはつかず離れずの距離をとっていました。しかし、偶然見つけた見おぼえのある名前……。「これは、姉の元夫じゃないか!」(姉はバツイチ)。
 即行、「このIDはアクセスブロックしたほうがいいよ〜」と携帯にメールしました。すると、電話がかかってきました。
「アクセスブロックってなに?」
 やっぱりくると思ったよ。

俺「これを設定すると、ブロックされた人は姉さんのページを見られないようになる」

姉「えーそーなん。でもさー、いま(引っ越したばかりで)、インターネットできんのや。パスワード教えたら、設定してくれる?」

俺「いや別にいいけど、それでいいの?(ってほど書き込んでないのも知っている)」

姉「でも、パスワード、コンピューターに教え込んでるから忘れた」

 シリアスパターンに行くかと思ったら、やはりいつものパターンじゃん。姉からメールが来たのは、その2日後でした。】

〜〜〜〜〜〜〜

 ソーシャルネットワークサービス(SNS)、「mixi(ミクシィ)」は、最近ではかなり一般的なものになってきました。雑誌やテレビなどで取り上げられることも増えてきましたし、少なくとも「ミクシィをやっている」というのが「他人に隠さなければならない」という時代ではないようです。でも、一般的になったらなったで、いろいろと困った問題が多くなってきたのも事実なんですよね。
 今までの「パソコンに詳い人のためのコミュニケーションツール」であれば、その「コンピューターの知識を持っていること」というのがSNSにとっての最大の「防壁」になっていたのですが、今のミクシィのように手軽に入れるようになってしまうと、いわゆる「ネット人格」として登録していた人にとっては、いろいろと困った自体になりうるわけです。
 たとえば、会社の同僚とか上司とかに「お前、ミクシィやってるんなら、俺もマイミクにしてくれ」とか言われて、自分の入っているコミュニティはマンガやアニメばっかりで、日記は顔文字だらけ、というような状況だとすると、「いやー、すみません、僕、ミクシィやってないんですよ」と顔を引きつらせながら断らなければならなくなるし、何かの拍子に、友人とか恋人に自分の「隠れた一面」を見られてしまうリスクもあります。
 それを防止するためには、アクセス制限をかけまくればいいのでしょうが、そうすると、「新しい繋がりの開拓」は、難しくなっていく一方です。
 「誰に見られても、困らないようにしておけばいいんじゃない?」というのは、確かに「正論」なんでしょうけどね。
 あるいは、リアルでのそういう危険に遭遇したときのために、「ダミーmixi内キャラクター」をあらかじめ用意しておくという手もありそうですが……
 
 この投稿の場合、「元夫」との経緯がわからないのでなんともいえないのですが、やっぱり、「見られたくない人」って、誰にでもいるとは思うのです。別れたパートナーに、自分の生活を覗き見されているなんて、いい感じがするものではないですよね。まあ、「ほとんど書き込みもしていない」のなら、放置しておいてもいいんじゃないかという気もしなくはないのですが、やっぱり、本人にとっては一方的に観察対象にされるのは、気持ち悪いことですよね。お互いに覗き合って牽制しあうのも不毛だし。

 ミクシィもこれだけ一般的になってしまうと、なかなか「ミクシィの中での自分」の立ち位置というのも難しくなってきます。書きたいけど、あのマイミクに読まれると困る、というような状況だって、少なくないはずです。なんだかもう、「マイミクのなかでのマイミク」を作ってくれとか、そういう話にもなってくるわけで。
 しかし、これだけたくさんの人たちが参加していて、しかもいろいろ検索もできる「ミクシィ」ってやつは、ヘタすると個人サイトよりもよっぽど「バレ」の危険性が高いのではないかと思えてきます。ここに「足あと」を残してはまずい……とか、考え始めたら、本当にキリがありません。

 あまりにブロックばかりしていると世界は広がらず、かといって、あまりにオープンだとノイズやリスクが多すぎる。
 「繋がる」って、本当に難しいものですね。