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2006年01月25日(水) ■ |
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芸能人の「個人情報保護」 |
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「日経エンタテインメント!」2006年2月号(日経BP社)の「V6 井ノ原快彦・アイドル武者修行・第45回」より。
(個人情報保護法芸能人版、「イノハラヨシヒコ」の場合)
【意外と手を焼くのが部屋探しです。セキュリティーの問題もあるので、タレントによっては探すことから契約まで事務所にお願いする人もいるようですが、僕は全部自分で動きたいタイプなので、問い合わせから下見、契約まで個人でやっています。初期の電話での問い合わせはペンネームで済むのですが、実際に物件を見に行って顔を出すと、「あれ?」となって、まずここで「いのっちがこのへんで物件を探している」とバレちゃう(笑)。さらに契約ということになれば、今度は住所や電話番号のみならず、年収や口座番号まで明かさなければなりません。ふらりと入った不動産屋にこのへんの情報をすべてオープンにするというのは、なかなか勇気がいるものです。 個人の住所氏名が書いてあるという理由で、最近は番組に宛てた一般の方からのハガキも原則、受け取れなくなれました。ホームページを使って皆さんの声を吸い上げていますが、直筆とプリントアウトした活字では気分がぜんぜん違います。ラジオ番組は特にリスナーとのやりとりが生命線ですからね。切り替わった当初は正直戸惑っちゃいました。 先日、街で僕の個人情報に関するこんな出来事が。あるお店で「メンバーズカードをお作りしますので、こちらにご記入いただけますか」と言われたときのこと。僕はいつものペンネームを書いて、店を後にしようとしました。すると、店の人が一言「いのっちですよね?よかったらサインもらえませんか?」。お互い悪気はないものの、小さなウソをついた僕と、わかっていながら知らんぷりできなかった店の人。ものすごい気まずい雰囲気が漂うなか、僕は「井の原快彦」と、いつもより大きくサインをして店を出ました。】
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こういうのは「有名税」というやつなのだと言う人も少なくないのでしょうが、僕はやっぱり、芸能人も大変だなあ、と感じてしまいました。でも、考えてみれば、僕たちだって、ふらっと入った不動産屋に、個人情報をオープンにしまくっているのですよね。そりゃあ、不動産屋だってV6の人ならともかく、僕のそんな個人情報なんて、ダイレクトメールや電話のマンション勧誘の会社に売るくらいしか、使い道がないものでしょうけど。 それにしても、この「メンバーズカードの話」というのを読んで、僕は、現場で働いている人々のなかには「個人情報」に対する意識がものすごく希薄な人がいるのだということを感じましたし、そもそも、こういう「サインを貰いたがる人」というのは、プロ意識が欠如しているのではないかと思えてなりません。「偽名を書かないでください!」と注意するというのなら、話はわからなくもないんですが。 わざわざ「ペンネーム」を書くということは、「V6の井の原として扱ってもらいたくない」という意思表示なわけですから、それに対して「サインしてください!」というのは、あまりにも頭の悪い対応ですよね。その場に偶然居合わせたお客さんがサインをねだるというのならまだしも、「店の人」なのだし。 有名店では、芸能人のサインがよく飾られているのですが、僕はそういうのを見るたびに、「この店は、良かれ悪しかれ、芸能人を『特別扱い』しているのだろうか?」とか考えてしまいます。まあ、そう言いつつも、料理が出てくるまでの間に、「どんな人が来たのかな…?あっ、この人なんだかいろんな店で色紙書いてるなあ…」などと、色紙を一生懸命観てしまうのですけどね。 【お互い悪気はないものの、小さなウソをついた僕と、わかっていながら知らんぷりできなかった店の人】、たぶん、井の原さんにとっては、「日常茶飯事の面倒なこと」であっても、店の人にとっては、これは「千載一遇のチャンス」だったのでしょうから、あんまり店の人を責めるのもかわいそう、なのかなあ……
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