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2005年06月29日(水) ■ |
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差し止め!!クロマティ高校 |
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産経新聞の記事より。
【七月に公開予定の映画「魁(さきがけ)!!クロマティ高校THE★MOVIE」のタイトルに勝手に名前が使われているなどとして、プロ野球元巨人のウォーレン・クロマティさんが二十九日午後、配給会社のメディア・スーツ(東京)に対し、公開の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請することが分かった。 代理人によると、クロマティさんは現在米国在住で、独立リーグ「サムライベアーズ」の監督を務めている。「青少年のために活動しているのに、自分の名前が不良高校の名前に使われており、憤りを感じる」などと話しているという。 「魁!!クロマティ高校」は野中英次さんの人気ギャグ漫画で、不良高校を舞台に個性的なキャラクターが登場する。七月二十三日に実写版の映画公開が予定されている。 クロマティさんは昭和五十九年に外野手として、巨人に入団。平成元年にはMVPを獲得するなど、二年に退団するまで、通算打率三割二分一厘、百七十一本塁打を記録するなど、主軸打者として活躍した。 メディア・スーツの話「担当者がおらずコメントできない」】
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「魁!!クロマティ高校」は、現在も「週刊少年マガジン」に連載中の人気マンガ(野中英次・作)なのですが、まさか、いまさらこんな問題が出てくるなんて、思ってもみませんでした。アニメ化もされている人気マンガなのだから、クロマティさん本人も知っているだろうと思っていたのに。 「クロマティって名前は、野球選手のクロマティの専売特許じゃないですよ」とか言ってみても、この漫画に出てくる他の学校が「バース学園」だったり、「デストラーデ工業」だったりしますから、「関係ない」というのは、ちょっと苦しい言い訳ですからねえ… しかしまあ、このマンガの内容が、クロマティさんを誹謗中傷しているかどうかと問われれば、実際には高校の名前が「クロマティ」なだけという感じで、内容にはクロマティさんはほとんど関係ないようです。作者の野中さんが野球ファンで、親しみがある名前を適当につけただけで、深い意味はなかったのでは…と僕は思うのですけれども。まあ、少なくとも「悪意」はなさそうです。悪意がなければ、何をやってもいいってものではないでしょうが。 しかしながら、このマンガがアニメ化されたときの紹介記事には,【東京都立クロマティ高校、そこは選りすぐりの不良達が揃う、「ワルのメジャーリーグ」とも言われるほど恐れられている高校である】なんて書かれていますから、まあ、クロマティさんが腹を立てるのもわからなくはないのです。いくらなんでも、自分の名前が「ワルのメジャーリーグ」では、あんまりです。イメージ的には、こういう「冗談」に目くじらを立てて「訴えてやる!」なんて言わないような感じではあったんだけどなあ。 実際に、こういう「名前」に対して、「盗用」とか「名誉毀損」が成立するのかどうかは僕にはわかりません。小説や映画などの登場人物と同姓同名の人が「俺の名前をそんな登場人物に使うな!」なんて言い始めたら、登場人物は、Aさん(仮名)とBさん(仮名)とかになってしまかもしれないし。それとも、有名人であれば、やっぱり「名前だけ」でも、名誉毀損になってしまうのでしょうか。
ただ、僕がひとつ心配なのは、当のクロマティさん本人は、このマンガの内容を本当に知っているのか?ということです。実際に自分の目で作品を確かめず、【自分の名前が不良高校の名前に使われている】という話だけを聞いて、「許せない!」という気持ちになっているのではないか、と僕は危惧しているのです。彼のセンスに合うかどうかはともかく、「クロマティ高校」というのは、不良を賞賛しているマンガではないのだけれど。 「被害者」であるクロマティさんに、「そこまで確認しろ!」と罵声を浴びせるわけにもいきませんしねえ。
たかが名前、されど名前。もしこのマンガのタイトルが「クロマティ高校」でなかったら、こんな大ヒット作になったかどうかもわからないし、「そのくらいは有名税」とか「日本で親しまれている証拠」というエクスキューズも、本人が不快であれば通用するはずもなく。
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