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2004年10月30日(土)
「白黒つけろよ!」と「両者健闘」という解釈

共同通信の記事より。

【「これじゃ、まるで草野球だ」「いったい何回戦までやるんだ」――。

 韓国プロ野球の覇者を決める韓国シリーズ(7回戦制)で29日までに3試合が引き分けになり、プロ野球ファンから勝負の醍醐味(だいごみ)がないと抗議が殺到した。

 今季は現代とサムスンが韓国シリーズで対戦。韓国野球委員会(KBO)の規定では延長は十二回まで、試合時間が4時間を超えた場合は新しいイニングに入らないと決めている。

 22日の第2戦は8―8、25日の第4戦は0―0、29日の第7戦は6―6で引き分け。30日は現代が勝って3勝2敗3分けとリードしたが、前代未聞の第10戦まで行く可能性も出てきた。KBOのホームページには「ファンをばかにしている」などと抗議の書き込みが相次ぎ、スポーツ紙も一面トップで「勝負が見たい」(スポーツ・ソウル)と批判した。】

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 この記事を読んで、「日本で同じことが起こったら、みんなどんな反応をするだろう?」と僕は考えてみたのですが、少なくとも「ファンをばかにしている」というような論調にはならないのではないでしょうか。
 確かに、一昔前の日本のプロ野球にも、ここで書かれているような「試合時間が4時間を超えると延長戦の新しいイニングには入らない」という規定があって、ペナントレースで「引き分け狙い」のチームが投手交代を長引かせたり、監督がダラダラとマウンドにいたりするのにはしらけることも多かったのです。
 しかしながら、日本シリーズという大舞台で、両チームが死力を尽しての闘いの結果が「引き分け」であれば、一般的な日本の観客やメディアの反応は「両チームの健闘を称える」という感じになるのではないでしょうか。  「ファンをバカにしている」と怒るどころか、「長くシリーズが観られる」と喜ぶ人もけっこういそうです。たぶん僕も、贔屓チームが優勢なのに追いつかれて引き分け、とかでなければ、むしろ「いい試合だった」と満足しそうな気もしますし。

 もちろん、こういうのは「お国柄」であって、「引き分け」に対して批判的な韓国の一部の人々が悪いというわけではないのですが、なんとなく「引き分け」=「どっちもよくやった」というような印象を持ってしまいがちな日本人の「引き分け観」いうのは、少なくとも「世界標準」ではないのだなあ、とあらためて感じてしまう記事でした。
 「白黒つけろよ!」というのが常識な文化だってあるのです。
 まさか、「一稼ぎ」するために、わざと引き分けにして試合数を増やしている、なんてことはないだろうとは思うのですが。