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2004年10月10日(日) ■ |
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オンナの幸福、オトコの欲望 |
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「トンデモ本 女の世界(上)」(と学会・著、扶桑社文庫)より。
(よく雑誌の裏表紙などに載っている「開運グッズ」の「ライスチャーム」の広告について書かれた文章の一部です。)
【「太古の昔から他に品種と交わる事の無い野生米サティバ」に「インドの高僧ヴィラカーラ氏が自らの頭髪で依頼者の名前を書き、生命エネルギーを注入」し(あまりのエネルギーのために写真が全カットぶれていたんだそうです)「聖水のカプセルに入れて」アクセサリーに加工したモノ。
まずは女性向けブレス(ペンダントもあります)。広告の肩に踊る字が、「恋愛」「結婚」「美」「金運」「学業」「友人」。まあ、女の子の夢ですねえ。 ところがこれが男性向けになると……「金」「オンナ」「競馬」「パチンコ」「仕事」「事業」!!「オンナ」とカタカナ書きのところなんかが憎いですね。これだけ欲望をムキ出しにされると気持ちいいくらいです。】
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サイトをやっていて、メールアドレスを公開していると、いわゆる「ネットビジネス」のメールが毎日本当に嫌になるほどやってきます。そういうサイトを覗いてみると、「5000円で開業、在宅で月々数百万円の収入が!」なんて売り文句とともに「成功者の体験談」が載せられています。そういった体験談というのは、まさに「類型的」なんですよね。 いわく、「外車を何台も所有」「海外に別荘があり、遊んで暮せる」「美女に囲まれてウハウハ」とか、全部そんな感じ。 しかしながら、僕はこういう「体験談」を読んでいつも、こんなふうに思うのです。 この「ネットビジネス」をやっている人たちは、こういうのが、世間の人々の「欲望」の主流だと判断しているのだな、と。 確かに、お金なんていくらあっても困るものじゃないけれど、「働かないで、1年中別荘で美女に囲まれているような生活」って、そんなに楽しいものでしょうか?そりゃ、食うや食わずの生活よりははるかに望ましいものではありますが。 いや、僕だって年を取って引退すれば気候のいい南の島でビーチに寝そべって暮らすのもいいとは思うけど、少なくとも今、そんな生活が可能になったとしても、最初は楽しくても3ヶ月くらいですぐ飽きてしまうのではないかと予測しているのです。美女とかに囲まれていると、疲れそうだしねえ。 それでも、「世の男の憧れ」というのは、そんなものなんでしょうか? 「名誉のほうが大事」とか言ってみても、機密費で愛人の名前をつけた競走馬を購入した外務省の偉い人だっていたわけだし(あれだけわかりやすい「成金趣味」というのも、それはそれで珍しいような気もしますが)。 ところで、ここに書かれている「欲望」って、男性向けのものは、いわゆる「物質的なもの」がほとんどなのに対して、女性向けのものは「恋人」ではなくて「恋愛」「結婚」、「お金」ではなくて「金運」と、抽象的なものが多いですよね。裏を返せば「男の欲望の対象は具体的な『モノ』で、女の欲望の対象は、抽象的な『概念』である、という見方をしている、ということなのでしょう。 確かに、男は「彼女が欲しい」と口にすることがあっても「素敵な恋愛がしたい」というセリフはあまり発することはないような気がするんですよね。最近は、女性が「彼氏が欲しい」と言うことは多そうなのですが、全体としては、やっぱり男のほうが「物質的」な傾向があるのかもしれません。
その一方で、「男はロマンチストで、女はリアリスト」とも言いますから、なんだかよくわからないような気もするのですが、実際のところはどうなんでしょうね。 もしかしたら、「男は」「女は」と言うよりも、世の中全体が「物質重視の傾向になっているだけなのかもしれません。 ルナアル(1864〜1910、フランスの小説家・劇作家)は、「幸福とは、幸福をさがすことである」と記しました。結局、「幸せ」にはなりたいのに、何が「幸せ」だか、よくわからない時代は、現代だけではないのでしょうけど。
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