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2004年07月01日(木) ■ |
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「とんでもない公務員」の悲劇 |
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共同通信の記事より。
【千葉県船橋市は1日、規定より長い昼休みを頻繁に取ったなどとして、建設局道路部の男性主査(55)を減給10分の1、6カ月の懲戒処分にしたと発表した。市は「信用失墜と職務専念義務違反」としている。 市によると、主査はほぼ1年間にわたり、1時間と決められている昼休みの前後をサボり、最大2時間の休憩を取っていたという。休憩時間中、市役所から徒歩7、8分の路上に止めた自家用車内で寝るなどしていた。 また終業後に一刻も早く帰るため、勤務時間中に車を庁舎前の来庁者用駐車場に移動させていた。主査は「電車通勤」と偽りの申請をしていた。 この主査が車内で寝ているのを目撃した市民が、市役所内で主査を見つけ、市に通報した。主査は「昼休みは1人で過ごしたかった。寝過ごすことがあった」と話しているという。】
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うーん、最初にこの記事を読んだときは、「仕事サボって昼休みを長めにとるなんて、とんでもない公務員だ!」なんて憤ってみたのですが、読みすすめていくうちに、なんだかこの人の抱えている「痛み」みたいなものをいろいろ想像してしまいました。 人より1時間長く昼休みを取れるのは確かに羨ましいし、55歳にもなる大人としては、あるまじき職務違反なのですが(いや、若ければやってもいい、ってわけでもないけど)、この人が周囲より長く昼休みをとっていた理由が「昼休みは1人で過ごしたかった。寝過ごすことがあった」というのは、なんだかとても悲しい話だなあ、と。 だって、せっかく「他人より長い昼休み」をとっても、この人は10分弱くらい歩いて車のところまで行って、車で昼寝していたというのですから。少なくとも、ワクワクするような昼休みの過ごし方じゃないですよね。 僕だって独りになりたいことはありますけど、こんな苦労をしてまで短時間車で寝るよりは、同僚と昼御飯を食べに行くか、近くの本屋にでも行くだろうし… よっぽど職場に居辛い状況だったのか、それとも「うつ状態」だったのではないかなあ、なんて心配にもなるのです。 懲戒処分と同時に、メンタルケアも必要なのではないでしょうか?
それにしても、そういう勤務状態で一年間も勤務していて、市民の通報がなければおそらく処分されなかったであろうというのは、すごい話でもあります。そんなにヒマなのか、建設局道路部の主査って。 まあ、「どうして勤務時間中に車で寝てるんだ!」って、それをあえて「通報」する善良な市民がいるっていうのは、「公僕」である公務員も大変だとは思いますけどね。真面目に働いている人もいるだろうに、多くの人に「こいつらはラクしやがって!」みたいなイメージで「監視」されてるのって、それはそれでちょっとかわいそう。 そんなことも、「最近風当たりの強い職業」に従事している僕は、つい考えてしまうのです。
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