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2004年04月30日(金) ■ |
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初恋の人、マイク・タイソン |
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日刊スポーツの記事より。
【ボブ・サップ(29)が、マイク・タイソン(37=ともに米国)とのボクシングマッチ受け入れを宣言した。30日(同5月1日)のK−1ラスベガス大会に向けた公式会見が当地のホテルで行われた。7月31日(同8月1日)に米国内で予定されるK−1・Dynamite!!への参戦交渉が最終段階に入っているタイソンに対して、サップは「ボクシング戦でも構わない」と呼びかけた。昨夏から対決を熱望してきた野獣は、圧倒的な不利を覚悟の上で元祖・野獣に挑む決意を固めた。】
参考リンク:マイク・タイソンのこれまでの戦歴
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マイク・タイソンといえば、現在でも知名度としては現役(なのか?)ボクサーの中では圧倒的なものがあるのでしょう。もっとも、その「知名度」の半分は、レイプ事件とか乱闘事件のような、「困った人」というもので占められているわけですが。 昨今のK−1の「タイソン関連騒動」を観ていて僕が感じるのは、主催者側のタイソンに対する「熱意」と僕のような日和見格闘技ファンのあいだの温度差なのです。 というか、「どうしていまさらタイソン?」と思わずにはいられない。 高額のファイトマネーを積んでK−1のリングに彼を上げても、「今のタイソン」を観たい人がそんなにいるのでしょうか?
参考リンクの年表にあるように、マイク・タイソンの「全盛期」は、彼の20代前半、1980年代の後半でした。あのころのマイク・タイソンは、そりゃあもうべらぼうに強くて、挑戦者たちをあっという間にKOし、「こんなに早く終わっては、入場料が勿体無い!」とか、みんな呆れ顔でぼやくくらいだったのです。 しかし、東京ドームでバスター・ダグラスに敗れたことをキッカケにタイソンは、転落の一途を辿っていきます。 王座転落の翌年に婦女暴行で逮捕され、3年間の収監生活を送ったあとに一時は復活して世界王者になりますが、そのあとは今ひとつピリッとしない試合が続き、1997年には、イベンダー・ホリフィールドに対する「耳噛み事件」を起こし、その後も暴行容疑で2階の収監。最近は自己破産もしてしまいましたし、この「世界最強の男」の後半生は、本当に「どうしようもない」状況で。
それにしてもK−1、どう考えても「落ち目」であり、「全盛期の力はない」タイソンにどうしてここまでこだわるんだろう、と思いませんか? タイソンvsボブ・サップの「ボクシング対決」なんて、引退した横綱とサッカー選手が相撲対決をやるようなもので、どう考えても「最高の勝負」になりようがないのに。 たぶん、この「世紀の対決」の実現をもっとも望んでいるのって、K−1の関係者なのだと思います。ほとんどゼロのところからK−1を築き上げてきた彼らにとっては、「憧れのタイソンをK−1のリングに上げる」ということ自体がひとつの「夢」なのでしょうし。もちろん、彼らの「プロの目」としては、「今のタイソンはどうなのかなあ…」という迷いだってあるとは思うのですが、それでも、K−1立ち上げのときからの「夢」が手の届くところにまでやってくれば、なんとかしたいという気持ちもわからなくはないのです。たとえ「初恋の人」に昔ほどの輝きがなくなっていたとしても、いままで思い続けてきた気持ちの積み重ねというのは急激に醒めるものでもないだろうし。それって、第3者からみれば理解不能なものかもしれないけど。
そういう意味では、「K−1も、悪い女に引っかかっちまったよなあ」なんて思うんですけどね。
本当は、「憧れ」は「憧れのまま」で終わってしまたほうが良い場合も多いのかもしれません。
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