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2004年04月08日(木)
「妹の不倫」と「家族思いの兄」

日刊スポーツの記事より。

【不倫騒動の渦中にあるRマドリードMFデビッド・ベッカム(28)の相手とされる女性の家族が不倫関係を認めた。ベッカムの不倫相手と報じられたレベッカ・ルーズさんの兄ジョン・ルーズ氏が「報道が出た朝(4日)に妹と電話した。実際に彼女はベッカムと浮気したことを認めた。今回の報道で彼女は傷つき、裏切られた気分だった」と報道が間違いではないことを明らかにした。
 ベッカム自身も今回のことに関して声明文を発表した。「過去数カ月間、プライベートについてばかばかしい記事を何度も読んで、そんな記事を読むことに慣れてしまった。今回もまた1つの例だ。僕は現在、幸せな結婚生活をしている。特別な妻と子供が2人いる。この事実を第3者が変えることはできない」。しかし、不倫を否定も肯定もせず、記事内容を告訴する姿勢も見せない声明だったため、報道に拍車をかける結果となった。】

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 あの、正直言って、僕はベッカムが不倫しようがしまいが、そんなことはどうでもいいのです。なのにどうして、この記事のことを取り上げたのかというと、この「不倫相手のお兄さん」に対して、この人はどうしてこんなことをするのかと、疑問に思えて仕方がなかったからなんですよね。
 だって、おかしいと思いませんか?もし僕の妹がベッカムと不倫していたとして(そんなことはまずありえませんが)、そのことを告白されても、普通マスコミにベラベラ喋ったりしないと思います。直接ベッカムを責める手段がないのかもしれませんが、それにしても、どうして「妹の不倫」をマスコミに向かって告白する必要があるのでしょうか?
 それで幸せになれるのは、マスコミから謝礼がもらえるこの人だけのような気がするのですが。

 もともと僕自身が血縁関係に対する意識が乏しい人間なのかもしれませんが、「身内」というのは、どこまでプライベートに立ち入ることが許される存在なのだろう。
 ワイドショーなどでは、よく「被害者の気持ちを代弁」してくれる家族や近所の人というのが登場しますが、それをテレビカメラの前で喋ることって、何かのメリットになるのかなあ。それでも、犯罪の被害者に関することなら「誰かに今の気持ちを吐露したい」とかいうのも確かにあるのかもしれませんし、それを発信することによって、加害者に対する厳しい世論の形成に役立つこともあるでしょう。
 でも、今回の件では、「ベッカムも悪いけど、ムリヤリそういう関係に持ち込んだわけではなさそうだし…」というように、「お互い様」という印象もあるんですよね。ベッカムが有名人で叩かれやすい立場だということを除けば。
 そうすると、妹への風当たりが強くなることだって、容易に想像できるのではないでしょうか?(実際にバッシング報道も出てきているようです)
 それとも、イギリスではこういう場合に「とにかく男のほうが悪い!」という結論になるの?

 不倫とか痴話喧嘩は当人たち同士でやればいいことです。そりゃ、離婚問題ともなれば、お互いの「家」が関わってくることも事実ですが、少なくとも、このお兄さんのような「身内」の行動って、「おせっかい」か「売名行為」でしかないと思います。
 妹さんにとっては、いかにも遊んでいそうなベッカムに裏切られるより、自分の兄に「売られる」ことのほうが、ある意味悲しいんじゃないかなあ。
 でも、こういう「自称・家族思いの人」って、けっこう多いですよねえ。
 「お前のため」「家族のため」って言いながら、やることはすべて「自分のため」。
 本当に「妹思い」なら、もうお互い大人なんだから、放っておけばいいのにね。