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2004年03月27日(土)
「理由なき批判よ、ありがとう。」

時事通信の記事より。

【1985年10月に始まったテレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」が26日、最終回を迎え、キャスターの久米宏さん(59)は、番組の最後に「厳しい批判、激しい抗議も受けた。中には理由なき批判もたくさんあったが、そういう人が大勢いたからこそ続けられた。ありがとう」などと別れのあいさつをした。
 久米さんは「日本の民放は戦後生まれで、国民を戦争に向かってミスリードしたことはない。これからもそういうことがないことを祈っている」とコメント。その上で関係者への感謝の言葉を述べた後、手酌でコップにビールをついで一気飲みし、「お別れです。さようなら」と締めくくった。】

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 僕はこの久米さんの挨拶、リアルタイムでは観られなかったのですが、家に帰って録画したものを観ながら、なんだかとてもしんみりしてしまいました、なんのかんの言って、18年半も続いている番組ですし、当時からやっている番組なんて、「サザエさん」と「笑点」くらい。
 ところで、この最後のコメントで僕が考えさせられたのは、久米さん「厳しい批判、激しい抗議も受けた。中には理由なき批判もたくさんあったが、そういう人が大勢いたからこそ続けられた。ありがとう」という部分でした。確かに、あれだけの人気番組でしたし、いろいろ問題もありました。でも、どうしてあえて「理由なき批判」というのに言及したのでしょうか?

 こういうふうにWEBで文章を書いていると、僕くらいのマイナーな立場でも、いろいろな批判や抗議を受けることもあります。その中には「その指摘はもっともだ…」と僕を反省されるものがある一方で、「どこにそんなことが書いてあるんだろう…」と書いた本人の僕が首をかしげるようなものや、明らかに思いこみや先入観に支配されて、誹謗中傷をするような内容のものもありますし、単に「どこかに怒りをぶつけたくて、投げた石が偶然僕のところに飛んできた」というようなものもあるのです。
 でも、僕はそういうものに「感謝」しているかというと、かなわんなあ…と思いつつ溜息をつくくらいが関の山、なんですけどね。

 本当は、久米さんやテレビ朝日のスタッフも、辛いことはたくさんあったのだと思います。「理由なき批判」(例えば、「調子に乗るな」みたいなものですよね、きっと)に対して、「なんでそんな言いがかりを!」と憤ったこともしばしばあったのでしょう。
 ただ、そういうことは、たぶん「何かをやろうとする人」にとっては避けて通れない道であり、スタッフは「こんな誹謗中傷には負けない!」という怒りのエネルギーをバネにしたり、「ベクトルは違うけど、とりあえずわざわざ抗議しようと思うくらい一生懸命観ている人がいる」というようにプラス思考に変えたりして、ずっとやってきたんだろうなあ。
 もちろん「仕事だから」という面もあるのでしょうけど。

 僕は、少なくとも「誹謗中傷する人」よりは、「誹謗中傷される人」でありたいと思います(いや、積極的に「責めろ!」って言っているわけじゃないですよ。そんな趣味はない)。

 まあ、久米さんのことだから、「こういうふうに言ったら、誹謗中傷してた奴らは、きっと悔しがるだろうなあ、ふふふ」とか内心考えていたのかもしれませんが。
 「誹謗中傷好きの人」にとっては、この「言ってくれてありがとう」というのは、一番言われて悔しい言葉なのかな、とも思いますしね。