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2003年10月27日(月) ■ |
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嗚呼!花のニセ応援団… |
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読売新聞の記事より。
【山口組系暴力団幹部が読売巨人軍の私設応援団として各地の球場に出入りし、暴行や傷害事件を起こしていたとして、警視庁組織犯罪対策部と富坂署などは26日夜、この暴力団幹部ら3人を逮捕した。
逮捕されたのは、いずれも応援団「三重巨勝会」のメンバーで、山口組山健組系暴力団幹部・山川進吾(35)(三重県鈴鹿市)、同暴力団幹部・宮原義行(32)(同)、職業不詳・西川清一(54)(同)の3容疑者。
調べによると、山川容疑者は7月21日、東京ドームで、巨人対広島戦の試合中、ライトスタンドにいた読売新聞東京本社の巨人戦担当社員に対し、「ガンを付けた」と因縁をつけ、ネクタイをつかんで引きずったうえ壁に押しつけるなどの暴行をした疑い。山川容疑者が指定された場所以外でトランペットを吹いたため、本社社員が警備員を通じ注意したところ、山川容疑者が逆上した。
この事件のため、山川容疑者は翌日、東京ドームの試合への入場を拒否された。ところが同容疑者は、宮原、西川両容疑者と共謀、8月14日、中日対巨人戦が行われたナゴヤドームのゲート付近で、別の私設応援団「東京読売巨人軍応援団」のリーダー2人に対し、読売本社との交渉を十分に行わなかったと言いがかりをつけ、「何も持たずに手ぶらで来たのか」などとどなりつけ、正座している2人に殴る蹴るの暴行を加えて、3か月から3日間のけがをさせた疑い。
山川容疑者は、各地にある巨人の私設応援団のうち、名古屋地区の7団体に大きな影響力を持ち、各地の球場に日常的に出入りしていた。】
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まあ、こういう人が真の「ファン」ではないことは自明の理なわけですが。 いくら僕がアンチ巨人でも、日本全国にあれだけファンがいれば、こういう人の1人や2人はいるだろうなあ、ということは想像できますし。
それにしても、こういう人は、それで「応援団」とかやっていて楽しいのかなあ。 僕が中学生のころ、あの超人気ゲーム「ドラゴンクエスト2」が、ファミコンで発売されたのです。 それはもうすごい人気で、おもちゃ屋ではどこも即日完売(「ビックカメラ」の行列も話題になってましたよね)。 そして、事件は起こったのです。 《やっとのことで「ドラクエ」を手に入れた中学生から、他の学校の生徒がゲームをカツアゲ!》 という記事を御記憶の方も多いのではないでしょうか? そのとき、リアルタイムで中学生をやっていた僕の感想は、「カツアゲしたドラクエで遊んで、面白いのかな?」というものでした。 周知のように「ドラクエ」は、プレイヤーが勇者になって、世界を滅ぼそうとする悪の大ボスを倒す、というゲーム。 そんな悪いことしてゲームを手に入れて、勇者に感情移入できるのかなあ、と。 もし僕がカツアゲ犯だったら、ゲームをやりながら、いたたまれなくなるんじゃないでしょうか? 自分をやっつけているような気がして。
そういえば、尾崎豊の「盗んだバイクで走り出す〜」とい歌でも、泥棒した精神状態では、全然バイクの爽快感どころじゃないのではないか、とも思っていました。
まあ、世間には悪事に快感を見出す人だって、けっこういるのかもしれませんが。
何かのファンになったり、誰かを応援するという行為自体は、他人に限度以上の迷惑をかけなければ、けっして間違ったことではありません。 僕がどんなに野球を練習をしても日本シリーズには出られないでしょうし、武道館のステージで観客を魅了することもできないでしょう。 何かを応援し、感情移入するというのは、自分に本来不可能な体験を代行してもらえるわけで、あまりドラマチックでない人生を送る普通の人間にとっては、人生を豊かにするものではあります。
僕などは、ときどき、世間のすべてのことに対する好悪の感情が自分から無くなってしまえば、どんなにラクに生きられるだろうかと、思ってみたりもするのですが。
この暴力団員みたいな「応援」をされたって、選手や周りのファンは全然嬉しくないでしょう。 喜んでいるのは本人だけ。
心を奪われるほど好きなものができるというのは素敵なことだけど、そうやって応援している自分の姿を鏡に映してみることも、ときには必要なことだと思います。 そういう、大型トラックに乗ったとたんにクラクションを鳴らしまくるドライバーみたいな姿を自分で見るのは、すごく辛くて情けないことなんだけどさ。
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