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2003年09月11日(木)
どうしても慣れることができない、5%の憂鬱。

「アシモフの雑学コレクション」(アイザック・アシモフ著、星新一編訳・新潮文庫)より。

【あのネルソン提督は、一生、船酔いに悩まされた。人間の五パーセントは、どうやっても揺れになれることができない。】

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 あの「トリビアの泉」の冒頭の「人間は無用な知識(トリビア)の数が増えることで快感を感じる事ができる唯一の動物である。」という言葉で有名なのが、このアイザック・アシモフなのです。
 彼は、「ロボット三原則」で有名な「われはロボット」などの作品で名高いSF作家でもありました(というか、本業は作家なんですけどね)。
 アシモフは、さまざまな「トリビア」の収集家として有名でもあり、科学解説のエッセイや科学者の人名事典、歴史の本などもたくさん書いているそうです。
 この本は、彼が集めたそのような知識をジャンル別に分けて短いセンテンスで解説したもので、まさに「トリビアの泉」の原典といえるでしょう。

 ちょっと脱線してしまいましたが、ネルソン提督といえば、トラファルガーの海戦で無敵艦隊といわれたスペインの艦隊を撃破し、イギリスの制海権を確立した英雄なのですが、そんな「海の男」であるはずの彼も、船酔いに悩まされていたんですね。
 日本でいえば、咸臨丸でアメリカに行った勝海舟は、艦長でありながら、船酔いで船長室からほとんど外に出られなかったのだとか。
 海嫌いだったからこそ、自分の船が沈まないように必死に頑張ったのかもしれません。

 実は、僕もこの5%に属する人間なので、このアシモフの言葉が、すごく印象に残ったのです。
 子供の頃から、船酔いはおろか、車酔い、飛行機酔いなど、さまざまな乗り物酔いに悩まされてきたのですが、「どうやっても5%」ということは、乗り物酔いに苦しんでいる人は、もっともっと多いに違いありません。
 しかし、あの苦しみっていうのは、乗り物酔いしない人には、まったく理解できないみたいで、挙句の果てには「甘えん坊は乗り物酔いしやすいんだって」とか言われる始末。デリケートなだけなんだってば。

 とかいいつつ、最近、前ほど酔わなくなってきたんですよね。
 この間なんか、酔い止めの薬を飲んでいたとはいえ、1人乗りくらいのセスナ機にも乗れたし。
 やっぱり、「慣れ」という要素はけっこう重要ではあるようです。
 
 まあ、それはそれで、「鈍感な人間になってしまった」ような気がして、ちょっと寂しくなってみたりもするのですが。