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2003年05月27日(火) ■ |
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それでも、「福岡ダイエーホークス」にこだわる理由。 |
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毎日新聞の記事より。
【福岡ダイエーホークスの売却案が浮上し、地元自治体や経済界による市民球団化の希望が出ていることについて、山崎広太郎・福岡市長は27日の会見で「ないでしょう。お荷物は球団ではなくドームだ」と否定した。
市長はダイエーの福岡事業について「オーナーが変わることはファンが喜ばないし、ダイエーの経営的にもマイナス。今の体制でやってもらえることがベストだ」と述べた。また、ドームの市営球場化についても「試合のない300日間の使い道を考えるのは市役所が一番不得手なことだ」と全面否定した。
球団売却について、ダイエーは引き続き保有する意向を示しているが、主力取引銀行は球場やホテルの売却額を高くするために球団も入れて売却する方が有利とみて、交渉を続けている。】
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地元福岡では、球団(ダイエーホークス)・球場(福岡ドーム)・ホテル(シーホーク)の3つを合わせて「3点セット」と呼んでいます。 基本的にこの3つは、切っても切れない関係にあるんですよね。 ダイエーの「福岡事業」の象徴的な存在であるわけで。 市長は「ダイエーがやってくれるのがいちばんいい」と言っているわけなのですが、実際、市民球団化となると、いろいろ制約が出てくるのも事実。 僕は広島カープのファンなのですが、カープは日本のプロ野球界では、数少ない独立採算制をとる、黒字経営の球団です。しかし、今の日本のプロ野球界で「黒字である」ということは、裏を返せば「金をかけた補強が積極的にできない」とか、「FA制度やドラフトで、お金や人気のあるチームに良い選手が流れてしまう」ということになるわけです。ホームゲームを相手チームの地元の近くでやったりとか、ファンとしてはちょっとなあ…と思う状況。 ホークスも、市民球団で独立採算となれば、赤字を垂れ流すわけにはいかないでしょうから、強いチームを造るには厳しい状況になるでしょうし。
博多の街には、西鉄ライオンズが本拠地を首都圏に移していらい、ずっとプロ野球の球団が無い時代が長く、もともと大阪が本拠地だった南海ホークスが福岡にフランチャイズを移して福岡ダイエーホークスになったときには、それはもうみんな喜んでいたものです。 もともと西鉄ライオンズの影響が強く、ライオンズファンが多かった地域なのですが、本拠地福岡ドームができていらい、チームの強化もあって、いまや福岡の人たちの多くがホークスファンとなっています。 人口を考えれば、4万8千人収容の福岡ドームが連日連夜満員になるなんてことは、まさに偉業。
しかし、今のダイエーの経営が厳しいことも事実。先日はローソンの株を手放しましたし、売り手としては売りたくないような商品でないと、買い手がつかないのは当然のことです。 「赤字なんだけど、ドームとホテルだけ買って」とか言われても、やっぱり買い手としては納得できないでしょう。 野球チームがあってこそ、ドームやホテルの稼動がある程度保証されるわけですし、宣伝効果としては野球チームに名前が付いているというのは、ものすごいことです。スポーツニュースで、一日に何回「ダイエー」のという言葉が繰り返されていることか。
まあ、冷静に考えれば、オーナーが変わって、チーム名が変わっても、球団がちゃんと地元に残ってくれればいいんでしょうけど、「野球チームが無かった時代」を長く経験した博多っ子たちにとっては、やっぱり不安になってしまうんでしょうね。 広島ファンからしてみれば、今のホークスファンの熱気と観客動員があれば、「誰がオーナーでも、わざわざ他所の都市にフランチャイズを移すバカはいないだろうけどね」とか思うのですが。 いっそのこと、こんなに毎年「経営不安説」が流れるオーナーなら交代したほうが選手も安心できるような気がするけれど、地元の人たちは、けっこう「福岡に来てくれた」ダイエーに恩義を感じていたりするのです。
それが経営改善に結びつかないのが、難しいところなんだけど。
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