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2003年02月14日(金)
「大学」って、本当に必要なんだろうか?


読売新聞の記事より。

【今の大学生や大学を卒業した若者について、知識や学力がきちんと身についていないと感じることがあるという人が70%に上ることが、読売新聞社の全国世論調査でわかった。

 身についていないと感じることがあると答えた人に、具体的な点を聞いたところ、「筋道立てて考える習慣が身についていない」(54%)が最も多かった。また、同じく84%が、知識・学力不足の大学生の増加は日本企業の競争力や技術力の低下につながると思う、と答えた。

 今の日本の大学のあり方については、「満足」25%に対して、「不満」は61%に上った。今の日本の大学が、学生にとってどのような場所になっていると思うか――では、「友人や仲間を作る」(53%)が最多で、「専門的な知識や技術を身につける」(35%)や「教養を身につける」(21%)を上回った。 】

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 この記事を書いた記者も、たぶん大学出ていると思うのですが。
 医学部というのは、一種の職業訓練施設ですから、僕の大学生活は、世間でイメージされているような「ヒマな大学生」とは違っていました。
 途中で週休二日にはなったものの、水曜日以外は、朝の9時くらいから17時まで講義がびっしり詰まっていましたし(もちろん、全員がすべての講義に出ていたわけもなく、ほとんど学校で姿を見ない同級生もいました)、講義のあとは部活で、あまり自由な大学生活を味わえなかった記憶があります。

 もちろん、それで今の仕事に就けているわけですし、実際は、自分の将来のためにしっかり勉強している大学生だってたくさんいるわけですから、一概に「今の大学はダメだ」と言い切ってしまうのもどうかなあ、と思うのです。

 それに、大学で指導しれている教授たちは、実は「学生を教えるのが巧いから」教授になったわけではなくて、研究での業績があったから教授になられた方が多いのです。だから、人を教えるプロじゃないし(もちろん、あまりに学生を無視した教授は本分に外れているでしょうけど)、大学生にもなって「学校が悪い、教え方が悪い」では、情けないような気がします。
 僕も教官に質問できるような優秀な学生ではなかったのですが、今から考えると、大学の先生というのは辞書みたいなもので、自分で勉強してわからない部分を教えてもらう、というのが正しい使い方なのかもしれません。

 でも、僕は正直なところ、「学生の本分は勉強だ!」とか別に思わないんですよね。「大学出は、社会人として必要な知識がない!」とか言われても、社会人として必要な知識は、社会人になってから得ればいいような気がしますし。
 実際に、ある職業に必要な知識っていうのは、その職業について実践してみないとわからないことが多いんですよね。

 時間もなかったし、部活でも結果を出せなかったし、女の子にもモテなかったし、勉強と部活とバイトをやって、残りは家でダビスタばかりやっていた大学生活でしたが、僕にとっては、大事な時間だったと思うのです。
 今の学校制度では、大学に入るまでは常に余裕のないカリキュラムに試験の連続。社会人になってからも、やはり自分の所属する企業集団の意向に従わなくてはならない場合が多いのです。
 「大学生は、遊んでばかりだ!」そうかもしれない。でも「遊ぶ」という選択肢を自分で選んで実行できる時期があるというのは、すごく良いことだし、幸せなことだと思うのですよ。もちろん、勉強したい人、もしくは、する必要があると思う人は、勉強すればいいのです。部活だって、バイトだって、恋愛だって、他人に過度の迷惑をかけなければ、自由ににやっていい。「自由にやることを選べる」ということそのものが、大学生の特権なのですから。
 でも、ときどきは「好きなことができるということが、どんなに稀有で、素晴らしいことなのか」を考えてみてください。
 たぶん、それがいちばん重要なことなのです。

 きっと、それをリアルタイムで体験しているときには、本人はただ漠然と悩んでいるだけだったりするんでしょうけれど。