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2002年12月07日(土) ■ |
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マクドナルドの凋落と「スローフード」の憂鬱。 |
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毎日新聞の記事より。
【日本マクドナルドホールディングスは6日、02年12月期の連結経常利益見通しを、前期(単独ベース、189億円)比91%減の17億円になると発表した。経常利益の落ち込み幅は過去最悪。売上高も同約11%減の3206億円程度となることから、初の大幅な減収減益となる見通しだ。BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)などが影響し、8月からハンバーガーを59円に値下げしたが、業績回復につながる効果は出ていない。
8月の中間決算発表時の予想に比べても、業績の悪化は鮮明。売上高は同予想比5.5%減、経常利益は同84.1%減。最終利益は予想の61億円より同91.4%少ない5億円にまで落ち込む。】
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「デフレの勝ち組」として、右肩上がりの成長を続けてきたマクドナルドですが、最近は、ちょっと厳しい状況に置かれているみたいですね。 「59円バーガー」の復活も、業績回復の決定打にはなっていないみたいですし。 確かに値下げで来客数はやや持ち直したものの客単価が低下し、利益は大幅ダウン。
最近、「スローフード」という言葉を耳にする機会が多いのですが、これは、ファーストフードの対極として、「値段は安くはないけれど、体によい材料を使って、手間ひまかけてつくった料理」というものです。 不景気で、みんなお金がないけれど、食べ物くらいは贅沢しようよ、というのは、ひとつの考え方かもしれませんね。 一時期、都心では「どうせ家なんか高くて買えないから、そのぶんいい車に乗る」という人が多かったように(やっぱり、家と車とでは、一桁違いますから)、現在は、車は無理でも、せめて少しは良いもの食べようよ、という発想が広がってきたのかもしれません。 それに、人間嫌なことには慣れなくても、楽なことには、すぐ慣れてしまいます。 マクドナルドの59円バーガーにも、既にあんまりお得感は感じられなくなってきているのかな。
もちろん、狂牛病の影響は無視できないと思うのですが、たぶん、マクドナルド自体も日本に飽和状態なのではないかなあ、と。 今の若い世代では、あまりにも存在が当たり前のものとなっているため、マクドナルドのハンバーガーを新しく食べるようになる人、というのが急に増加することはないでしょうし。 今は、「ハンバーガーを食べる人」という枠内での各社のお客さんの奪い合いという状況。
20年前は「今日は格好つけてハンバーガー」だったものが、今では「お金ないからマック」という時代になってしまっています。けっこう、みんな飽きてきてるのかなあ。
それにね、僕が今30(もうすぐ31)として、あと40年生きるとしましょうか。 後人生で食べられる食事の数は3×365×40。約4万食ですが、まあ、朝食の場合はメニューが限定されたり、付き合いで食べるものが限定されることもあるでしょう。 年取ってくると、食べられるものにも制限が出てくる可能性もありますし。 好きなものが食べられるのって、約2万回、といったところ。 お金もそうなんですが、不味いものを食べると、「1回損した…」と思うことが、時々あるのです。 安くて美味しいものがいちばんですが、安いだけでは、ちょっと厳しい時代になってきているのかも。値段を考えたら、マクドナルドも商品としては立派なものなんでしょうけれど。 まあ、あまりに「健康第一」とか「お袋の味!」とかをアピールしすぎる「スローフード」というのも、それはそれでイヤミな感じがすることもあります。 家で親が作ってくれた御飯が美味しい理由には、そういう能書きがつかない気楽さというも大きいと思うのです。 「これ食べなさいよ、体にいいんだから!」 「えーっ!嫌いなんだよこれ、だって酸っぱくってさあ」 なんて、文句言ったりもできるし。
並んで食べる本格ラーメンよりも家でゴロゴロしながらカップヌードルが食べたくなることだって、けっこうあるんですよね。
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