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2002年12月08日(日)
女優は誰にでもできる。環境が女優にしていく。


「日刊スポーツ」日曜版の菅野美穂さんのインタビュー記事より。

【「女優」のイメージ。選ばれた女性、雲の上の存在、美の象徴、あこがれ、華やかな私生活…。普通とは違う、いわば“特権意識”を持って当然の環境にいると思ってしまうのだが、菅野は違った。「女優」を、あらゆる仕事の中の1つと考え、浮かれることなく、き然とした姿勢で取り組んでいる。かつて菅野は「誤解を恐れずに言えば、女優は誰にでもできる。環境が女優にしていく」と語ったことがあった。

菅野「変な例え話ですが、どんなに家柄が良くても、それに見合った教育を受けないと、それらしくはならないと思うんです。お姫さまでも王子さまでも、マナーから始まって、教育や経験、出会った人などに影響されて、いろいろと身に着けていく。お医者さんだってきっと、患者さんと出会ってお医者さんらしくなっていくのだと思いますし、どんな仕事だってそう。そうでなければ、普通なら私なんて女優になれるわけがないと思うんです」。

 環境が女優にしてく。それは、まさしく経験が言わせた言葉だった。 】

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 世間に「特別な才能を必要とする職業」と思われている仕事って、結構たくさんありますよね。
いや、僕だって「医者なんてたいへんなお仕事ですね〜」と言われることはありますし、他の人の話を聞いていて、職人さんの修行の厳しさとかサラリーマンの接待のたいへんさなんかには、自分にはできないなあ、と思うことが多いです。

でも、意外とやっている本人としては「ずっとこれでやってきたから、そんなに大変って感覚はないんだけどなあ」というのが、正直な感想だったりするもかもしれませんね。

自分の仕事を自慢する人は、そういう意味での客観性に欠けているのかもしれません。「仕事というのは、みんな大変なものなんだ」ということがわかっていない。

もちろん、自分の仕事に対するプライドは大事なんですが、本当に自分の仕事にプライドを持っている人は、相手のプライドも理解できるはず。
ある種の持って生まれた才能がないとできない仕事って存在するとは思います。でも、才能だけで続けていける仕事というのは、ほとんど無いわけで。

「生まれながらの女優」なんて話を耳にすること、時々あるのですが、それは「生まれた直後から、そういう環境に置かれていた」ということなのではないでしょうか。

 誤解を受けそうな話ですが、医者だって、国家試験に受かった段階では、ほんとうなは医者じゃない。仕事をしていくことによって、医者らしくなっていくんですよね。研修医時代から知っている後輩に久々に会うと、あまりに医者らしくなっていることに驚かされることが多いのです。

 結局、女優も医者も、「永遠に女優になろうとし続けている人」「永遠に医者になろうとし続けている人」なのかもしれませんね。