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2002年06月17日(月) ■ |
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2002年6月17日。 |
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西日本新聞の記事より抜粋。
【「白衣の天使」のシンボルとして親しまれてきたナースキャップが、全国の医療現場から姿を消そうとしている。帽子に細菌が付着しやすく、院内感染のルートになりかねないためだ。既に民間では「ノーキャップ」が主流。九州の国立病院でも国立小倉病院(北九州市)に続いて、国立病院九州がんセンター(福岡市南区野多目)が六月から着用を廃止した。 厚生労働省や日本看護協会などによると、看護師の制服に明確な規定はない。帽子の着用は医療現場の判断に委ねられている。 免疫力の衰えた人が感染すると、致死率が高いとされるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が社会的な問題となった五、六年前から衛生、安全面を考慮して、民間では帽子を着用しない病院が増えているという。 もともと女性看護師の間では、「あまり洗わないし、衛生面が不安」「頭から落ちるのが気になって勤務しにくい」などと不評だったという。 ナースキャップは、看護学校卒業時に戴帽式を行うなど、昔から「白衣の天使」の象徴とされてきた。患者や医師の一部からは「帽子をかぶっていた方がやさしそうで、看護師らしい」との声もある。 しかし、医療関係者の間では「患者の生命にかかわる問題。米国ではノーキャップが常識、他の国公立病院でも着用廃止は避けられない」との見方が支配的だ。】
〜〜〜〜〜〜〜 ナースキャップが消える!マニアの皆様は、エーッと思われるかもしれません。でも、最近は、ノーキャップが次第に主流になりつつあるようです。実際、現場で働く看護師さんたちの間では、「邪魔だし、機能的でない、不衛生」という意見と「なんといっても看護職の象徴!」という意見の両方が出ているようですが。まあ、若い人は前者の意見が多いようですけれども。 衛生観念といえば、「白衣の天使」という言葉をあるように、白衣は清潔感の象徴のようなイメージをもたれがちなのですが、実際は、色が白いからといって、衛生学的に「清潔」であるというのとは別の話。実際、それを着てやっていることは、感染性の病気を持つ患者さんに触れたり、いろんな病原菌の密度が濃い職場にいる時間が長いわけですから。 そういえば、昔勤めていた病院で、「白衣でコンビニに出入りしている人がいる」ということで、近所の人からクレームが来たという話がありました。いや、確かに雑菌だらけではあるんですけど… この「看護師らしい」というのが曲者で、実際には機能的に優れているほうがいいんでしょうけど、長年つちかってきたイメージというのは、どうしてもなかなか払拭できないものではありますし。例えばスチュワーデスさんなんか、もし私服だったらだいぶイメージって変わってくるんじゃないでしょうか? 医療職というのは、白衣のイメージに守られているというところも、確かにあるんですよね。実際、私服で仕事をするのは、かなり居心地が悪い感じがするものです。 しかし、MRSAについては、実際はかなり高頻度にいろんなところに付着してしまうものなので、ナースキャップだけをあげつらって、かえって不安をあおるのはどうなんでしょうか?キャップをかぶらなかったら髪に付着するだけなのでは? 廃止の理由は「動きにくい」ということだけで充分だと思うんですけどねえ。 衛生概念というのをひたすら追求していけば、いちばんなのは素っ裸で滅菌室に入り、そのまま仕事をするということかと。まあ、そんな姿でコンビニに行けば、近所からの苦情どころではすまないでしょうけど。
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