初日 最新 目次 MAIL HOME


活字中毒R。
じっぽ
MAIL
HOME

My追加

2002年04月26日(金)
2002年4月26日。

阿川佐和子「おいしいおしゃべり」(幻冬舎文庫)より抜粋。

【ニューヨークにはたいそうすぐれた透視能力者がいるという噂を耳にしたこともある。
「彼はね、写真を見ただけで、その人の考えていることや、健康状態なんかも言い当てるの。ユリ・ゲラーどころじゃないのよ。私が日本にいる両親の写真を見せたら、『あなたのお母さんは病気だ。お父さんは車を欲しがっている』って言うの。で、すぐに実家に電話をかけたら母が、『あなたが心配すると思ったから隠していたけど、今、病院通いをしてるの。父さんはたしかに車のカタログを集めているわ』と言うんで、ぞっとしちゃった」
こんな話を立て続けに聞いていたせいかもしれない。アメリカの占いは、日本よりずっと具体的でおもしろそうだと期待していた。】

〜〜〜〜〜〜〜
 おお、なんてすばらしい透視能力!って、怪しさ大爆発なのですが。筆者の阿川さんは現在40代後半。このエピソードを耳にされたときは、おそらく30代後半くらいではなかったかと思います。
で、30代後半の子供を持つ親の平均的な年齢といえば、60台半ばくらいでしょうか。まあ、写真を見ればわかるんでしょうけど。
人間60代くらいになるとたいがいどこかしら悪いところは出てきますし、(この文章の中では、病院通いをしている理由はわかりませんが)ひょっとしたら、写真で顔色が悪かったのかもしれません。
お父さんのほうも、世の男は、新車を買った直後でもないかぎり、次の車は何にしようかなあ、と考えている人が多いですから、いかがなものか。実際にディーラーと話をしている段階じゃなくて、カタログ集めてるレベルだったらなおさらかと。
 というわけで、別に「透視」なんて言えるもんじゃないと思うんですけどねえ。
それでよかったら、僕にだって、できます。
(20代後半の女性に対して)「あなたには今、気になる人がいますね!」
「えっ?そんなことないですけど…」
「自分では意識してなくても、きっと潜在意識下にいるはずです!!」
「あっ、そ、そういえば…」

などといいつつ、大学一年のときにある喫茶店で見せてもらった「超能力」だけは、いまだに「ほんもの?」という気もしてるんですが。
だって、その超能力の人、絶対に「サクラ」じゃない僕の先輩のお父さんの名前を初対面で当てちまったんだもんなあ。