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2002年03月13日(水)
2002年3月13日。

【シティ情報ふくおか No.561 「ラ・マンチャの男」松たか子インタビューより抜粋】

松本幸四郎が演じる主人公、ドン・キホーテが永遠の憧れの人として遇する、あばずれ女、アルドンサを演じることについての質問に対して。

松たか子「幼いころに父(松本幸四郎)の舞台を観ていた時には、彼女がレイプされるシーンになるとロビーに連れて行かれたりして(笑)怖いイメージがあったんです。でも怖い中にも妙にそのシーンが綺麗に見えたりして。今回、自分が演じるということに不思議なめぐり合わせを感じますけど、迫力で見せていくというよりは、よりリアルにそこに居る感じを大切にして自然に演じていけたらと思います。」

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役者であり父でもある、松本幸四郎の舞台を幼い娘はこんなふうに観てたんですね。でも、レイプシーンの前に、そっと娘をロビーに連れ出すお母さんの様子を想像すると笑ってしまいます。
「ほらほら、ここはちょっと…子供が観るところじゃないから!」
「なんで???」なんて。
子供に父親の舞台をみせてあげようという気持ちと、ちょっとこれは教育上よろしくないよなあ、という気持ち。で、娘はそういうところをけっこう冷静に見ていた、と。
大きくなって、彼女は、「こういうことだったのか…」と気づいたんでしょうね。役者の親娘の関係、微笑ましい感じ。

「ラ・マンチャの男」の初演は1969年。幸四郎さんは33年間、ドン・キホーテを演じ続けているそうなのですが、まさか娘に見せられなかった「教育上よろしくないシーン」を娘と演じることになろうとは。

幸四郎さんの奥さんの心境も、ちょっと聞いてみたい気がしますね。