2009年05月28日(木) |
ウォーロード/男たちの誓い |
監督:ピーター・チャン 出演:ジェット・リー アンディ・ラウ 金城武、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 19世紀末期、アヘン戦争で腐敗した清朝で「太平天国の乱」が勃発。自軍を全滅させられ1人生き残った清朝軍将軍のパンは失意の中彷徨っていたが、盗賊団のリーダー・アルフ、ウーヤンの2人と出会ったパンは「動乱の世を生き抜くには清朝に就いて従軍すべし」と説得し、3人は運命を共にする証として義兄弟の契り「投名状」を結んだ。3人の鉄壁の結束力で太平天国軍を次々と撃破するものの、次第に3人の思惑にズレが生じて来る。
【感想】 清朝末期の1870年4月18日に実際に起こった事件「両江総督暗殺事件」をベースに製作された歴史大作。 んな事ぁ〜どうでもいい(←いきなり何を)、上の「出演」を見てよ!「リー様×アンディ×金城クン」だよ!ナニコレ、何のお祭りなの?キャストだけでこのアタクシを萌え死にさせようという企画なのっ!?
すいません。相変わらずバカで。でもコレはマジで萌えるでしょーっ!! ・・・そんな訳で、中国の歴史に興味ないです。太平天国の乱、学校で習ったと思うけど記憶にないです。バカです。
映画冒頭でいきなりリー様が声を挙げて泣き叫びます。 リー様が泣くとぴよも涙が自然に頬を伝います。映画始まって10分くらいでいきなりクライマックスです。はい、バカです。 そしてシュー・ジンレイちゃんとまさかの××シーン!・・・は、やっぱり画面暗転して見せません。中国映画リー様は相変わらず奥ゆかしいのです。単にエロいシーンが苦手なだけだというのは内緒です。
ところで本作、イマドキにしては珍しくワイヤーアクション封印してます。ガチの人海戦術戦闘シーンです。 そしてリー様もアクション封印しています。コレかなり悲しいし、ずーっと長い事「リー様はアクションはピカイチだけど演技はまるでダメ」というのが何となくファンの間でも合言葉のようになっていたと思うんですが・・・ 本作のリー様、凄かったです!鬼気迫る演技でした。表情で見せる演技、感情を込めたセリフ、素晴らしかった!!
リー様の事ばっかり書いてるけど(1番好きなんだもんっ♪)、アンディと金城クンが上手いのは言うまでもない。 一応形としてはリー様が元々清朝軍の将軍だったという事もあり長兄、盗賊団のリーダーで人望の厚いアンディが次兄、そして情に厚く素直ないい子♪の金城クンは末っ子、という義兄弟関係が成り立っています。
最初の頃は3人の結束の強さが前面に出て上手い具合に歯車が回っている訳ですが、この手の力関係というのは微妙で、従える軍が大きくなればなる程・勝ち進んで勢力が増せば増す程、リーダー格のリー様とアンディは考え方にズレが生じて対立するようになる訳です。金城クンは2人のどちらの気持ちも判るので悶絶中です(笑) 映画中でもリー様が「1つの軍に2人のリーダーはいらない」と言います。その通りなんですが、軍の進め方としてはリー様の判断が正しいのだろうけど、内部では人情派のアンディの方が人望は厚い訳で、それがリー様には当然面白くない。
あ、書き忘れましたが「リー様→パン」「アンディ→アルフ」「金城クン→ウーヤン」に勝手に変換して読んで下さい(^-^;
史実に何処まで則っているのか・・・いや、多分本作は「暗殺事件」という結果だけを題材にして、暗殺に至るまでの経緯に関しては完全な創作なのだろうと推察する訳ですが、それにしても「信頼関係の崩壊していく図」をココまで如実に判り易く表現した作品というのはなかなかないんじゃないだろうかと思うんですよね。 3人それぞれの思惑が痛い程よく判る。各々が信じる「正義」のズレ、嫉妬と羨望、「国の平和」という大義名分が支配欲・名誉欲に摩り替わっていく構図・・・あ、やっぱりリー様に肩入れして見てるか?(^-^;
本作では誰が見てもアンディ(アルフ)に観客は魅了されるでしょう。リー様ははっきり言ってヒールだ(涙) でも、軍を治めようと思ったら人情だけではダメなのよ・・・と、そこのバランスを金城クンが上手く橋渡しをしている。 金城クンは最後の最後まで2人の兄に振り回されて一生懸命なのに報われない可哀想な役割だった。でもきっと史実を見渡せば必ずこういう「ワリを食うヤツ」というのが存在しているであろう事もまた事実。
真面目で骨太な歴史大作だと思いました。 もちろんフィクションなんでしょうけど、実際はこーだったのかな?と思わせるパワーがある。 「金城くぅ〜ん♪」という婦女子系にはちと血生臭過ぎて向かないかもしれない。けど見ておく価値は充分アリ!!
|