監督:イー・トンシン 出演:ジャッキー・チェン 竹中直人 ダニエル・ウー、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 中国・黒龍江省の寒村に住む「鉄頭」は、先に日本に渡り消息の掴めなくなった恋人「シュシュ」の行方を捜すべく、密航船に乗り日本にやって来た。仲間のアジトがある東京・大久保に辿り着いた鉄頭は、先に密入国していた友人「阿傑」らと共に日雇い仕事等を始めた。新宿のナイトバーで阿傑と皿洗いのバイトをしていた鉄頭は、ある日恋人シュシュをようやく見つけるが、シュシュは新宿を取仕切る日本のヤクザの妻となっていたのだった。
【感想】 ジャッキー・チェン主演最新作の本作は「ジャッキーがアクションを封印」という事で話題になっています。 本作では「アジア映画のレベルアップを!」という事で、中国・香港・日本のスタッフ・役者がジャッキープロデュースの元に集結して製作されたという「アジアン・プロジェクト」の第一回作品・・・なんだそうです。
えー。恥ずかしながらジャッキー大好きなこのアタクシ、映画はなるべく前知識入れずに鑑賞したいタイプでして。 本作も予告編未見・どんなあらましの話なのか・ましてやジャッキーが「アクション封印」して製作したという事すら何も知らずに、ただ「ジャッキー主演の最新作」という事だけの情報で鑑賞。 まあ、ここまで何も知らずに鑑賞するのは「先入観を持ちたくない」というより「面倒臭がりの常識知らずのバカ」としか言い様がないのですが・・・少なからずショックでしたね。ジャッキーの老けぶりには(涙)
要するにコレ、ジャンルで言うと「任侠モノ」「やくざ映画」ってヤツなんですよね?ある意味「社会派」とも言う? 少なくとも「ジャッキーの【アクション映画】ファン」には余りオススメ出来ない作品だと思います。映画の題材的に暴力的なシーンは多数登場しますが「暴力シーン」であって「アクションシーン」ではない。
実はー・・・「やくざ映画」って全くと言っていいほど見た事がないんです。 「極妻」「仁義なき戦い」他、人気の極道シリーズもただの1本も見た事がない。全く興味のないジャンルなんですわ。 だから正直本作が「極道映画」としてどれくらいのクオリティで、何が面白いツボなのかもさっぱり判らない。やたら意味不明な程暴力的で残忍で、カッコイイともステキとも思えないし気の毒とも痛ましいとも思えない。
ダニエル・ウー君の事も大好きなので、ヘタレで気のいい兄ちゃんだった頃の阿傑の様子にはワクドキしたんですが、その後のアホアホなメイクで転落の一途を辿る様子は目も当てられなかった(涙)
ただ、かつて(本作はバブル崩壊直後位の設定かな?)日本には多くの中国人が大量に密入国して来て、新宿を中心に巨大な犯罪集団として跳梁跋扈していたという事実はあった訳で。 もっとも今でも「中国人武装スリ集団」のニュースはよく流れますから、状況がそれほど好転しているという事でもないのかもしれませんが、彼らには彼らなりの苦しい事情や思惑があって、この日本で生きているのだと。 でもそれは決して正しい道ではなく、日本で大金を掴むというのはそれなりのリスクと制裁を味わう事になるのだと。
いや、全く同情の余地はないんですけどね(苦笑) 少なくとも本作を見ると、大量の中国人密入国者がどういう経緯を辿って転落していくのかは判ります。店頭に置かれたゴルフバッグなどを堂々と盗んで行くくだりなんて「日本人って本当にお人好しでバカにされてんだなー」なんて、妙に感心しちゃいましたね。日本人の「性善説」は時としてアジアの治安を悪化させるんだなーと(^-^;
この手のジャンルに全く興味がないので、正直見ていて疲れるだけだったし(あわわ)、本作が訴えたいツボや主旨が多分まるで判っちゃいないんだろうと自分でも思う訳ですが、映画の見方は人それぞれ。 少なくとも日本はいつまでも安全で平和な国ではないのだ、お互いの気遣いや小さな親切だけでは治安は良くならない、今後は積極的自衛を心掛けなければ21世紀を生き抜いてはいけないのだ・・・と思わされただけでも勉強になったなと。
ジャッキーファンとしてはアクションなしの本作はかなり寂しい気持ちでいっぱいでしたが、ジャッキーだって年齢的にもう無茶な事ばかりやっていられないのはよく判る。それを望むのが酷だというのも理解しているつもり。 だから今後も「アクション封印」で色んなジャンルに挑戦してもらいたいです。
ただ、この手のジャンルじゃなくて次回は出来ればジャッキーの優しい笑顔が似合う、ちょっとホロリと出来る人情物コメディ辺りでお願い出来ないでしょうか?(^-^;
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