監督:紀里谷和明 出演:江口洋介 大沢たかお 広末涼子、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1582年、信長が天下統一目前で明智光秀の謀反によって暗殺され、秀吉が光秀討伐と豊臣幕府を開いた事により、ようやく天下泰平が訪れたかに見えた時代。かつて信長の忍だった石川五右衛門は、自由を求めて義賊になり町の英雄となっていた。ある日盗みに入った紀伊国屋文左衛門宅の財宝の中に見慣れない南蛮製の箱を見つける。興味のなかった五右衛門はそれを捨ててしまうのだが、この箱こそがかつての君主・信長暗殺の真相を語る重要な手がかりだったのだ。
【感想】 「CASSHERN」で鮮烈な監督デビューを果たしたらしい?紀里谷監督作品の第2弾。 映画の主題歌は宇多田ちゃん・・・ではなく(こらこら)、どうやら本作は前作「CASSHERN」製作時には既に構想が練られていたそうで、延べ製作日数が実に3年間も費やされて製作されたんだそうだ。 ちなみに前作未見です。前作の評判をよく知らないんですが、見に行った友達が確か「クソ」って言ってた気が(^-^;
タイトルでお解りの通り「GOEMON→石川五右衛門」のお話な訳ですが。 映画冒頭で石川五右衛門が紀伊国屋文左衛門宅で盗みを働き、その後追っ手から逃れてお祭り中らしい?市中で金子をばら撒くシーンを見た段階で「ああ、コレは戦国時代のどこぞのパラレルワールドのお話なんですね」と誰もが思う。 だから五右衛門が「猿飛佐助」と行動を共にしていても、その後に「霧隠才蔵」が登場して、才蔵が真田信繁(幸村)の手下ではなく、何故か石田光成の手下でも、そんな事ぁ〜全く気にならない(笑) 「えーと、真田十勇士って何だったっけー」等と思う人も誰もいない。そもそも真田十勇士自体がフィクションなんだ。
要するに、歴史上の人物や歴史小説に登場した架空のキャラと同じ名前を使った「時代劇エンターテイメント」 だから「コレは歴史モノではなく娯楽映画なんだ」と判ればすんなり楽しめる。そして本作は観客が迷走しないように映画冒頭からキッチリと「コレは時代劇風娯楽映画である」という事を映像でダイレクトに伝えてくれる。見紛う隙間もない。
そんなこんなで映像はスゴイ! 紀里谷監督は元々映像クリエーターなんですよね?(←興味ないのでロクに調べてもいないんですが。苦笑) とにかくアクションシーンも町の様子、キャラの動きから風情に至るまで、実に映像を作り込んである。セットや衣装等も凝りに凝っていて、一言で言うと「美しい」 どのシーンを切り取っても宣伝用スチールに使える。「邦画のCG技術もここまで来たんだなぁ」と思わされましたね。
まあ、話はむっちゃくちゃなので(こらこら)ツッコミ入れるのも無粋なんですが。 でも見ていて結構楽しかったですよ。単純に楽しめる話です。荒唐無稽な話を荒唐無稽なキャラが演じる。しかも映像はピカイチなので見ていて退屈する事もなく案外ワクドキしながら楽しめる。
個人的には好きな役者さんが沢山出演していたので(江口君も大沢たかお君も好きだし♪)、彼らがツーショットでスクリーンを彩るのを見られるだけでも充分満足出来ますね。 奥田瑛二さんの秀吉キャラも凄く面白かった。ただ、茶々を演じた広末涼子ちゃんはどうなんだろ?なんだか彼女は茶々というキャラクターにはそぐわないような気がするんですが・・・彼女だけが浮いていたような?(^-^;
映像はスゴイし見てる間は楽しめるからいいんですが、特に何も心に残らない作品でしたねぇ(←今更何を言うか。苦笑) でも「エンターテイメント」だからいいじゃん♪みたいな、まあ荒唐無稽な娯楽映画にカタルシス求めてもねぇ(^-^;
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