ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2009年01月28日(水) ベンジャミン・バトン 数奇な人生

監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット
    ケイト・ブランシェット
    アレクサンドル・デプラ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
80歳の容姿で生まれてきた赤ん坊。出産の際に母は死に、父は赤ん坊のその余りに恐ろしい姿に恐れをなし、ある老人ホームの前に置き去りにして立ち去ってしまった。老人ホームで引取られた赤ん坊はベンジャミンと名付けられ育てられるが、彼は歳を重ねるにつれてどんどんと若返るという数奇な運命を持っていた。ある日その老人ホームに入所している祖母を見舞いに来た一人の少女・デイジーと出会い、恋に落ちたベンジャミンだったが。


【感想】
F・スコット・フィッツジェラルド氏著の短編小説を映画化。
って、今更作品の背景を語るのもアホ臭い。ブラピが本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされましたが、惜しくも受賞には至りませんでしたね。残念でした。お疲れ様っす!(^-^;

人は(特に女性は)誰もが「いつまでも若々しくいたい」と思う。むしろ「若返る事が出来れば」とも思う。
それじゃー歳を重ねる毎にどんどん若返っていくという生を運命付けられた人間がいたとしら、その人は一体どんな人生を歩む事になるんだろうか・・・というのを、「本当にそういう人生を丸々見せちゃいましょう!」という主旨の話。
ちなみに殆どの女性は「普通に(出来れば非常に愛らしく)生まれて18〜20歳位の美貌のまま時が止まれば」等という調子コイた事を考えているものですが、本作は爺ちゃんとして生まれて→赤ちゃんになって死ぬ、という運命。

誰がどう見てもご立派なジジイなんだけど、実はいいとこ幼稚園〜小学生くらい。
容姿と精神年齢が著しく掛け離れている為に周囲は混乱しそうなモノなのだが、何とも都合のいい事に老人ホームで育てられたので周囲は自分と大して代わり映えのしないジジイ・ババア揃い。案外馴染んでたりして♪(笑)
だが容姿はともかく心はお子ちゃまなので、誰もが嫌がるような3Kの仕事でも、ベンジャミンには初めて自分に与えられたミッションなのだ!と嬉々としてこなし、その仕事振りの良さからエロいモンモン船長(をい)に妙に気に入られたりする。

船長の勧めで筆卸しをするシーンなんて笑っちゃいましたね。見た目相当なジジイなんだけど「童貞だ」と語るベンジャミンに心底驚いて「じゃあ体験させてやんぜ!」と胸を張る船長・・・そりゃそーだろーよ。私が船長でも同じ事言うよ(笑)

幼い頃に出会った少女・デイジーに仄かな恋心を持つベンジャミンだけど、彼的に思春期(見た目ジジイ)の頃には身を焦がすような恋愛もしているし、一方のデイジーもバレリーナという夢に突き進みながらもただのヤリ●ン娘に成長する辺り(今日の感想、妙に表現が過激でいけませんなぁ。苦笑)、妙にリアルで「まあ人生なんてそんなもんだわね」な感じ。

それでも付かず離れずだったベンジャミンとデイジーが、お互いの見た目と精神年齢が丁度リンクする40歳前後で、ようやく互いの気持ちを認め合って本物の恋に落ちる。でもその頃には「ベンジャミンはこの後どんどん若返り、そしてデイジーは普通に老けてババアになる」という事はお互いよーく判っている事なので・・・切ない。

私はどうしてもデイジーの立場で本作を見てしまうので、「コレは女にとって辛いな。50代辺りだったらまだ若いツバメ囲ってる気分でいられるだろーけど、それでも今後の容姿の格差は女として相当キツいな〜」等と思っていたのだが、意外な事にその容姿と精神のギャップを最も悩んでいたのは男のベンジャミンの方だった。
「え?そっちなん?キミ若くなるんだからいいじゃんか」と一瞬思ったものの、若くなるのもテキトーなトコロで止まってくれれば都合がいいけど、今までの人生を鑑みるに、いつかはバブバブ状態になるのは目に見えてるとなると・・・なるほど、コレは確かに男の方が悩むだろうなぁ〜と納得。

人は誰でも老いる。老いたその時、愛する人に傍にいて欲しいしお互いが支えあって添い遂げたいと誰もが思う。
でもその愛する相手がどちらかから支える一方でしか有り得ない場合、支えられるばかりの相手は何を思うだろう?それが当たり前だと感じるのか、それとも愛する人の幸せを願って自分から身を引いて別れを選択するのか。
また、支える一方の立場は、それでも愛した人を最期の時まで支え続ける精神力を持ち続けられるのだろうか?

別に容姿が逆行しなくて、このようなケースはこの高齢化社会にいくらでも存在すると思う。
伴侶のどちらかが認知症になってしまったり、寝たきりになってしまったり。その介護に、それでなくても残り少ない自分の人生の全てを捧げなければいけないという苦悩と葛藤。
本作はそんな「究極の献身愛」を、違ったアプローチで見せてくれたような気がします。

上映時間167分。かーなーりー長尺の作品で、しかも割りと淡々とベンジャミンの人生を追うだけの作りなので、もしかしたら途中でかったるくなって居眠りしちゃう?と危惧していたのですが、意外な事にこの数奇な人生を歩む男の生涯に目が釘付けになって、あっと言う間に時間が過ぎ去って行きました。

今容姿の絶頂を極める若者にこの切なさは理解出来るのか?・・・私は身につまされ過ぎてアウアウでしたよ(薄涙)








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