監督:ジェームズ・グレイ 出演:ホアキン・フェニックス マーク・ウォールバーグ エヴァ・メンデス、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1988年ニューヨーク・ブルックリン。人気クラブのマネージャーをするボビーは、ロシア人オーナーに忠実に仕える片腕として名の知れた男。実は父も兄もニューヨーク市警の刑事というエリートファミリーだが、彼は自分の素性を隠して裏社会で生きていた。ところがある日、兄が追っていた麻薬組織に襲われて瀕死の重傷を負う。組織のボスは何とオーナーの甥だった。自分を引き立ててくれるオーナーと血の繋がった家族の板ばさみになるボビーだったが・・・
【感想】 今更ですが・・・あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 年越しスキー行って帰って来たら風邪引いてぶっ倒れてまして(苦笑)、ようやく復帰しました。1月も中盤に入ってようやく本年一発目ですよ。遅過ぎですね。大いに反省です。
さて本作。 予告編も見た事がなかったんだけど、ちょっと調べてみたら地味ながらなかなか豪華な役者が顔揃えてます。上記の出演リストのお三方だけでも「ほー!」という感じですが、他にもボビーのパパ役にはあの重鎮「ロバート・デュヴァル」なんぞもご出演されていたりして。本当に地味に豪華です。
出演者も日本では今一つ突き抜けない地味な人気の方々ですが(をい)、話もかなり地味で骨太な内容です。 時代は20年前、日本がバブル経済でバブバブ言ってた頃のニューヨーク。当時日本でもディスコのお立ち台で意味不明なピチピチボディコン着て羽根扇子持ったねーちゃんが腰振ってましたが、ご本家?ニューヨークのクラブでもトップレスのねーちゃんがカウンターに上って腰振ってました。 大物映画等にも次々ご出演してかなり日本でもメジャーになったんじゃ?と思うのですが、映画冒頭からいきなりエヴァ嬢がおっぱいポローンと出すのでびっくらコイちゃいました。
あ、「地味で骨太な内容」って書いたのに、全然骨太な説明が出来てません。すいません。調子が出ません(^-^;
裏社会に生きるアウトローな弟と、親の敷いたレールに乗っかってエリート街道を突き進む優等生の兄が、ある事件をきっかけにお互い交錯しつつ弟が大いに人生を狂わされて行く・・・といった感じのお話ですね。 80年代のニューヨーク・ロシアンマフィアとの息詰まる遣り取り、血を血で洗う復讐の連鎖・・・なんて言うと随分派手でカッコイイ印象になっちゃいますが、実際は割りと淡々と話が進んで行くという感じでした。
ホアキン・フェニックスもマーク・ウォールバーグも役がイメージにピッタリ合っていてすごく自然。 2人が絶対に血の繋がりのある兄弟に見えない、というツッコミすら許されない位にハマっています。特にホアキンは本当に上手かったなぁ〜。最初の頃はチャラい風だけど、話が進むとどんどん目が据わってきていいツラ構えになるんだなぁ。
「血」というのが良くも悪くも本作の中で凄く重要な位置を占めていて。 マフィアの事もよく「ファミリー」って言いますけど、普段はそっぽ向いていても何かあればやはり「血縁」を大切にするというのは人情でしょう。今の社会的地位を与えてくれた上に実の息子のように歓待してくれるオーナーと、今まで自分の事を散々疎んじてきた父や兄との間で板ばさみになるボビーだけど、いざ兄が瀕死の重傷を負った・それがオーナーの甥の仕業だったと判ったボビーは、痛ましい兄の姿を見て「血縁」を選ぶ。
兄の苦悩を語ったり(マークの演技がいいぞ♪)、家族を守る為に退く兄と家族を守る為に前に突き進もうとする弟の対比を見せたり、なかなか上手いんですが・・・もう一つパンチが足らないと言うのか「ワクドキ感」に欠けると言うのか(^-^; ボビーが「自分の今の社会的立場」と「見放されていた家族」の間を逡巡して苦悩するシーンやエピソードがもう少しあると面白くなるんじゃないかなぁ?と思ってみたり。ちょっとアッサリ家族に寝返り過ぎなんですよね。 今まで散々悪ぶってたクセに、あんまり素直ないい子ちゃんなのでちょっと拍子抜けしますよ。
個人的には結構こういう話って好きな部類なんですが、もう少し派手なシーンがあってもよかったんじゃないか? せめてボビーの心情の掘り下げをもう少し丁寧にしてもらえると感情移入がし易いのになーと。役者の演技は申し分ないですし役にもハマっていただけに、余りに地味過ぎるのが惜しいです。 正直言うと・・・多分1週間もしたら内容を忘れてしまいそうなレベルの「地味感」でして(^-^;
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