監督:矢口史靖 出演:田辺誠一 時任三郎 綾瀬はるか、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 台風が近付く東京・羽田空港。今日も多くのスタッフに支えられて飛行機は離発着する。この日羽田を出発するホノルル行きチャーター機は、コーパイ(副操縦士)から機長への昇格最終訓練が行われていた。更に新人CA(キャビン・アテンダント)の悦子は今日が初めての国際線乗務。整備士、グランドスタッフ、管制官、オペレーター、バードパトロール等、様々な空に関わるスタッフに見守られて離陸したホノルル便だったが・・・
【感想】 「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」で青春映画を立て続けにヒットさせた矢口史靖監督が次に選んだ題材は学生モノではなく「お仕事編」、飛行機に関わる様々な人々を描いた作品でした。
個人的に旅行が好きで飛行機には年に何度か乗るので、割と身近で興味深い業界のネタですね。 飛行機に関わる様々な職業の人々の仕事振りや様子、一般の人には余り知られていない「縁の下の力持ち達」、例えば羽田空港は海上空港なのでカモメの飛来に頭を悩ませていますが、空港内に入り込む鳥を追い払う専門スタッフ「バード・パトロール」等の仕事振り、それから天気図を見ながら飛行ルートの確保に遁走するオペレーターや管制塔のスタッフさんの仕事振り等はとても興味深く、いい勉強をさせてもらえました♪
と、つらつら〜っと本作の魅力(謎)を書いてみた訳ですがー・・・
この作品さ、ANAの全面協力を取り付けてみんなANAの制服着て思いっきり「ANAのプロモーションビデオ」状態になっているのはいいとしてですね、はっきり言うけど・・・本作をANAのスタッフさんが見たら憤死寸前じゃないですか?(^-^; 「コメディ映画なんだからこんな事は実際に有り得ないしねー」と笑って頂けるならいいんですが、綾瀬はるかちゃん演じる新人CAの余りにも痛い様子に、流石に「こんなCAいる訳ねーよ。ってか、コレは流石に本職のCAさんに失礼だろーよ」と思っちゃいましたよ。
いつ搭乗しても、CAさんの素晴らしい仕事振りには頭が下がるばかり、このハードワークをこなしながら常に笑顔で対応するCAさんって本当にスゴイ・・・と常々CAさんには敬意と賞賛を送ってる身のぴよとしては、綾瀬はるかちゃんがいくら可愛いからといっても、ここまでヒドい仕事振りには溜息も出ない。と言うか怒りすら覚えてしまいましたよ。 正直、ギャグも最初は笑ってたけど、段々イライラして笑うに笑えませんでしたわ。
でもチーフパーサーとコーパイのコックピットでの遣り取りは結構楽しく見れましたね。 これも本職さんが見たらもしかしたら怒り心頭なのかもしれませんが、飛行機に何度搭乗しても実際のコックピットの様子を見学した事が一度もないので、何を見ても「ああ、コックピットってこんな様子なのかー」と思っちゃいますもん。 ・・・そう思うと、本作を見た「飛行機に乗った事がない人」はやっぱりCAはこんなもん?と思うでしょ?(怒)←しつこい
でもエマージェンシー宣言をしてからの息詰まるコックピット内の様子は、見てるコッチもハラハラドキドキ☆ 業界用語が飛び交って、判る言葉もありゃー何言ってんだかさっぱり意味の判らない言葉もありましたが、少なくとも緊急時でのパーサー達の焦燥感や毅然とした対応、受け入れる側の空港職員達の緊迫感はとてもよく伝わりましたね。
「飛行機映画」としては、普段乗客と関わりのないスタッフさんの苦労が見られてお得な気分になれた反面、ありとあらゆる仕事に関わるスタッフさんの仕事振りをまんべんなく見せたが為に、ドラマとしてやや弱くなってしまい散漫な印象で、結局お仕事紹介ビデオ状態から一歩も出ない作りになってしまったのは痛いトコロです。 個人的にはコックピットの様子+管制塔+オペレーターの遣り取りだけに特化してもらった方がよかった。 CAさんやグランドスタッフさんは過去に散々ドラマや映画で取り上げられていて新鮮味はありませんからね。結果的に興味深く楽しめたのは上記の「普段目にする機会のないスタッフさん」の部分だけでしたので(苦笑)
まあ、そんな訳で・・・本作のCAさんの様子を見て「所詮ANAのCAなんてこんなもんかよ」等と思わずに(苦笑)、本作はあくまでもフィクションでコメディで「航空業界ってもしかしたらこんな感じ?」程度のお気楽度でご覧になれば、そこそこ楽しい作品なんじゃなかろうかと思いますよ(^-^;
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