監督:ピーター・バーグ 出演:ウィル・スミス シャーリーズ・セロン ジェイソン・ベイトマン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 不死身でスパーパワーを持つ男・ハンコックは、事件が起こると空を飛び瞬く間に解決してくれるものの、そのやり方が余りにも杜撰で横暴な為にいつも街に多大な被害を与えてしまう。更に酒浸りで下品でだらしない風貌の為に事件を解決しているというのに市民の嫌われ者だった。ところがある事故から命を救ってやったPR会社に勤める男から「市民に好かれるスーパーヒーローに私が変えてあげる」と提案される。思う所あって男の提案に乗るハンコックだったが・・・
【感想】 ウィル・スミスは今ハリウッドで最も稼ぐ俳優なんだそうだ。 そりゃそうだろう。だって彼の出演作って何だかんだで面白いもん。ぴよもウィルの出演作品はほとんど見ている。 彼の出演作品にハズレは少ない。荒唐無稽なバカ映画も、息詰まるアクションサスペンスも、ロマコメも、どんなジャンルでも必ず及第点以上のモノを提供してくれる男、それがウィル・スミス。
本作は予告編を見た時には「またアミコメか」と思ったんですが、どうやらオリジナル脚本だった模様。 既存のアメコミスーパーヒーローの裏をかいて、ことごとくパロっておちゃらける事で笑わせるという趣向。でもただのパロコメではなくて見せ方は大真面目な上「ハンコックの秘密」にも迫るサスペンス仕立てにもなっています。
既存のスーパーヒーローは自分の素性を市民の皆様からひた隠しにして生きるのが常套ですが、ハンコックは違う。 「どうせ何やったって俺不死身だし」って事で、堂々と顔を晒してやりたい放題。とにかく序盤から金の掛かった大掛かりなシーンでワクドキさせてくれる。 そのワクドキシーンはハンコックの傍若無人振りで更に大掛かりになり、「嫌われ者のヒーロー」を面白おかしく、尚且つ嫌われつつもまた事件が起こるとしぶしぶ立ち上がる「ひねくれ者だけど実は寂しがり屋」なヒーローの横顔を提示。 だから初めて自分が助けた男から手放しで感謝されて、自宅に招き入れられた時のキョドった感じが凄くいい♪
助けた男・レイとハンコックの関係の見せ方もソツがなくて楽しかったですね。 ハンコックの「嫌われ者の行動パターン」をレイが分析してハンコックに「コレじゃーダメなんだよ」と説明するシーンがあるんですが、このシーンが一番笑いましたわ。 You Tubeに市民がUPした映像を見せてハンコックにダメ出しするんだけど、火事の救出後の映像なんてもう・・・(笑) その後も改心したハンコックがぎこちなく警察官に「ぐ・・・グッジョブ」と言う辺りも♪ウィル、本当に上手いわぁ〜!
本作は途中から「え!?」という展開を見せるのですが、コレ書いちゃうと完全オチバレしちゃうからなぁ。
オチバレしない程度に書くと、途中からハンコックの過去を知る人物が現れるんですが、何故80年前にハンコックが記憶をなくした段階で名乗り出なかったのか・・・が、ハンコックの「不死身の体の秘密」の重要なキーになる訳でして。 そんなこんなでハンコックの前に現れた過去を知る人物は「他の不死身仲間はみんな死んだ」と語る。 はぁ?そもそも死なない体だから「不死身」って言うんじゃねーの?不死身の人間がどーやって死ぬのさ?矛盾しまくってんじゃん!と誰もが思うんだけどー・・・というのが、本作の一番のキモになるネタ。 あー。この書き方でもオチバレかも?ごめんなさい(涙)
本作、既存のスーパーヒーロー物に不可欠な「圧倒的な強さを持つ敵キャラ」というのが存在しない。 そういう意味では肝心のクライマックスシーンは多少迫力に欠けるきらいがあります。迫力だけを比べたら映画序盤の「ハンコックの傍若無人振り」を見せるシーンの方が圧倒的に面白い。でも不死身の人間が死ぬ事もある、という本作のキモになるネタを見せる為にには、逆にアクションシーンが地味にならざるを得ないので致し方なしか?(^-^;
まあでも、難しい事考えないで笑っちゃってハラハラ出来る上手い作りですよ。 シリーズ物にする事も充分可能な展開ですし。本作ではシャーリーズ・セロン嬢がヒロインでしたが、相変わらずお美しかったですねぇ。ラブ展開になりそうでならなさそうな微妙な見せ方も、ウィル主演のバカヒーロー物としては丁度いい匙加減だったんじゃないでしょうか?
そんな訳で、続編が出来たらまた見に行く〜♪やっぱりウィル主演作は安心して楽しめますわネ。
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