監督:中村義洋 出演:堺雅人 鮎川誠 水野美紀、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 会社を辞めたばかりの息子(32歳)とグラビアカメラマンの父(54歳)の2人が、北軽井沢の別荘にやってきた。東京に残してきた息子の嫁は他の男と恋愛中、そして3度目の結婚が黄色信号の父という「ワケアリ父子」は、今は亡き祖母が収集していた古着のジャージに着替えて「何にもしない夏休み」をまったりと過ごす。
【感想】 芥川賞・大江賞受賞作家「長嶋有」氏著の同名タイトル小説を映画化。ちなみに原作未読です。 息子役には今乗りに乗ってる堺雅人サン、そして父親役には「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠サンが演じ、監督はここんとこ当たり作品が続く中村義洋氏がメガホンを取っています。
それぞれ結婚生活が上手く行ってない父子が2人して別荘でしばらく生活する。ただそれだけのお話。 「かもめ食堂」以来、綿々と量産されている「何もしない・何も起こらない系」ですね。小さなネタを繋ぎ、キーになるグッズ等(本作では携帯電話とトマトか)を登場させてはだらだら続くエピソードを締める役割を果たさせ、状況や背景の説明は敢えてしない・進展させない・でも癒されて少しだけ前向きになってる?みたいな系譜。
予告編を見た段階で判っちゃいたけど、堺雅人さんが最近お気に♪なので鑑賞した訳ですが・・・正直この手は飽きた。
気になるのが本作の原作ですわね。 少なくとも映画では登場人物の心情等をキャラに語らせる事は一切しなかったのですが、映画は役者さんがセリフでは語らなくてもきちんと「演技」してくれているので、そのふと見せる表情や仕草等で語られなかったセリフの代弁をしてくれる訳ですが(本作、そういう部分ではなかなか役者さんが上手かったと思います)、これを活字で表現するとなると一体どう表現しているのだろう?と、映画を見ながら原作の表現方法が気になって仕方ありませんでした(^-^;
要するに、本当に本作は「何もしない」という事でして(笑)
何か話の筋とか軸のようなモノがある訳でなく、なんとなーく父と息子がまったり過ごしていて、それが何か各々の抱える問題に対して前向きになる要素があるわけでもなく、父は淡々と麻雀ゲームをしているだけだし、息子は犬の散歩をさせてトマト料理を食って時々小説を書いてるだけ。 同じシーンを繰り返し見せ、そこに少しずつゲストキャラ?を挿入する事で繰り返されるシーンが少しずつ状況を変えるという方式で、何となく話は流れていきます。
見ていて確かにコチラもまったりした気分は存分に味わえるのですが・・・この手も余りにも量産され過ぎると、どうしたって食傷気味になっても仕方ないと思うんですよね。 決して悪くない作りなんですが、「じゃあどこが特に良かったの?」と聞かれても困ると言うのか(^-^;
正直、なーんも心に残らなかったので「1時間半、まったりのんびり出来てよかったなー」というだけでした。 世間的には相当ウケが良さそうな予感はしますが、もう本当にこの手の作品に飽きちゃっただけなんですよ。ええ。
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