2008年07月25日(金) |
インクレディブル・ハルク |
監督:ルイ・リテリエ 出演:エドワード・ノートン リヴ・タイラー ティム・ロス、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 科学者ブルース・バナーは、ロス将軍の依頼で放射線の研究をしていたが、実験中の事故で大量のガンマ線を浴びた事で心拍数が200を超えると体が緑色になり巨大化し、凶暴なモンスターに変身する体になってしまう。その体を兵器利用しようとするロスの企みを知ったバナーは、ブラジルに逃亡・潜伏し「怒り(心拍数)」を抑える修行をしつつ治療薬を開発しようとしていた。ところがある大学教授とコンタクトを取った事でバナーの潜伏先がロスにバレてしまう。
【感想】 マーベルコミックの中でもとりわけ人気も知名度も高い「ハルク」を映画化。 ブルース・バナー役をエドワード・ノートン、そしてバナーの恋人役をリヴ・タイラーが演じています。 ・・・って、既に「ハルク」は映画化されてるじゃん。日本では2003年に劇場公開されてますよ。って事は、本作は2003年に公開されたハルクの「続編」という事なのかな?
と思って鑑賞してみたら、コレがまるまる前作と同じネタでフツーに「ハルク」じゃないですか! どうして既に映画化されてる作品、しかも前作から10年も経ってないのに今「リメイク(←って言うのか?)」なの? 普通全く同じネタのリメイクなら「欧州(アジア)作品のハリウッド版」か「古典名作の撮り直し」でしょ。しかも前作のハルクが個人的には全く面白くなくて「何だかなぁ〜」な気分だったし。←だったら本作見るなよ(苦笑)
いや、コレがねー・・・意外な事に本作かなり、いや相当面白かった! エドワード・ノートンが好き♪という事を差し引いても、コレ本当に面白かったですよ。前作より断然こっちの方が好き!
前作よりも話の流れが判り易く、テンポも良く、見せ場のバランスも心得ていて「非常に鑑賞し易い仕様」になってる。 エドワード・ノートンの風貌はとても科学者らしいし、それに・・・カッコいい!←結局ココかよ(^-^; いやいや、でも本当に本作の方が断然面白かったですよ。アメコミ物は沢山映画化されてますが、その中でも本作はかなりオススメ出来るレベルだと思いますね!エドワード・ノートン好きさん以外の方にも!!(笑)
「怒る」とハルクに変身するという設定を、もっと具体的に「変身する条件付け」をした事で面白さが倍増。 その条件というのが「心拍数が200を超える」なので、バナーは常に手首に心拍計を付けている。心拍が上がって危険値に差し掛かると心拍計が不穏な音を発するので、バナーがビビれば観客もワクドキする。 それよりさ、男子の心拍が上がるのって怒った時だけじゃないでしょ?と言うか「心拍数が上がる」でまずイメージするのは怒りではなくてー・・・むふふ♪な状態になった時じゃありません?(^-^; お約束通りそんなネタも盛り込んだりして(うふ)、これはとても判り易くていい設定♪
本来ならハルクに変身すると理性も何もかも吹っ飛んで(いわゆるトランス状態か?)、誰彼構わず暴れまくって傷付けてしまう凶暴な殺人モンスター状態のハズなのに、彼女に対してだけは封印された心の何かがハルクに訴えかけるのか?本能で彼女だけは何とか守る仕様になっている。 コレは前作と同じ設定?だと思うけど、本作の方がより説得力がありましたね。そして彼女の方も自分の彼氏が世にも邪悪なモンスター仕様に変身した様に驚愕するものの、それでも嫌悪出来ない何かを感じている様子が見て取れる。
後、前作で多くの方が(もちろんぴよも)ツッコミ入れまくった「デビルマンパンツ」 ここらも巨大化レベルが前作のウルトラ怪獣大ではなく、せいぜい「世界びっくり人間大賞+アルファ」程度の仕様に抑えたので、例の「おパンツ問題」も欧米人の巨デブご用達@のびのびパンツを手に入れれば無問題(笑) アメコミ特有の有り得ない設定の中に微妙にリアリティを持たせる事で、観客のストレスを減らす努力をしています。
「ハルクに変身しない」努力をする事から「必要に応じて自らの意思でハルクに変身する」というコントロールをする事で、ただの凶暴なモンスターから正義の味方へシフトさせようという流れも、圧倒的な悪キャラを用意する事、そして「本当に治るかどうか判らない治療薬」の存在ですんなり観客を納得させるように提示出来ていたと思いますね。 企画が既にあるのかどうかは知りませんが、続編を作れるようなネタ振りをきちんと付けているのも上手い。
アクションシーン等の構成・映像もソツのないレベルですし、CGで製作されたハルクが微妙にシュレック風味で安っぽいのはご愛嬌としても(苦笑)、内容的には予想以上に楽しめる「アメコミにしてはかなり面白い」レベルだったと思いますヨ♪ 前作のハルクをご覧になって溜息付いた方も、食わず嫌いしないで是非再チャレンジしてみて下さい!
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