監督:内田けんじ 出演:大泉洋 佐々木蔵之介 堺雅人、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 母校の中学校で教鞭と取る神野の元へ「島崎」と名乗る探偵が現れて、神野の親友・木村の消息を訪ねてきた。島崎も神野や木村と共に同級生だと言うが、神野の記憶は曖昧だ。ところで当の木村は、臨月を迎えた妻を家に残したまま失踪してしまった。しかも島崎の情報だと失踪する直前妻以外の女性と行動を共にしていたと言うのだ。成り行きで島崎と共に木村の行方を追う事になった神野だったが・・・
【感想】 「運命じゃない人(未見)」で衝撃的デビューを飾った内田監督の2作目。脚本も内田氏が手掛けています。 母校の中学校で教師をしている神野を大泉洋、神野の親友でエリートサラリーマン木村を堺雅人、そして神野や木村と同級生だったと名乗る怪しい探偵を佐々木蔵之介さんがそれぞれ演じています。
本作、感想を読むとオチバレしないまでもオチが想像ついてしまう可能性が非常に高いです。一応オチにはなるべく触れずに書く努力はしますが、もし本作を先入観なしで楽しみたいという方は、この先は読まないで下さい。
さてー。前置きしたところで(でも本当に何書いてもネタバレしそーだ。滝汗)
予告編を見れば想像付くだろうと思いますが、失踪した親友・木村の消息を追う内に、真面目なイイヤツだとばかり思っていた木村の意外な事実が次々と明るみになって来る。 木村は本当にイイヤツだったのか?子供の頃から何もかも知ってる親友同士だと思って来たけど、自分は本当に友達の全てを知っていると言い切れるのか?みたいなー・・・話、なのかなぁ〜?←何コレ(^-^;
要するに「どんでん返しエンターテイメント」なので、内容に触れられないのが痛い(涙) でも本作はとにかく非常に脚本がよく練られています。キャスティングもハマっていましたね。特に佐々木蔵之介さんは拍手喝采ですよ!この人元々大好きな役者さんだったけど、個人感情を差し引いてもホントに素晴らしかった!! 胡散臭い探偵の役って、正直言って蔵之介さんにはあんまり似合わないんじゃ?むしろ大泉洋さんの方が似合ってんじゃないの?位に思ってたんだけど、なんのなんの!蔵之介さんの実像はこんな胡散臭い人なんだー(をい)、と勘違いしそうになる程にハマっていましたね。
映画冒頭から全てが「オチのあるネタ」だと思ってもらっていい位、実に細かく伏線が散りばめられてます。 勿論映画を見ている段階ではそこまで細かく伏線だらけだとは思ってもいなかったので、例えば木村夫妻の妙に堅苦しくてよそよそしい会話だったり、産気付いた木村の妻の取る不可解な行動だったりが(電話する相手が違うやろ?)、なーんかチグハグな印象を受けていたんですよね。
そんなこんなで、結構簡単に木村の行方があるトコロまではスルスルと辿れてしまうので「なんだかなぁ」な気分で見ていたのですが、そこから先が「あれれれれー!?」な、正に「全く考えてもいなかった」展開が待っていました(^-^; 何だか違和感を感じていたあのセリフ・この表情、ちょっと引っ掛かっていたあの行動・このシーンが、次々と靄が晴れて白日の元にさらけ出されて行くかのようにオチが付いていく・・・まあ何ともお見事としか言い様がなかったです。
実はある人物のセリフを聞いて「あ、コレってもしかして・・・」とオチの1つは想像付いちゃった。 で、その想像はやっぱり大当たりだったんだけど、でもそれでもまだまだココも騙されてた・アソコも騙されてたと、後から後から騙されまくってたんだぁ〜!のオンパレード(^-^; 最終的に誰も気にしてなかったような小ネタにまでキッチリとオチを付けてくれて(あるマンションの防犯カメラ映像) 「コレはよく出来てるなぁ〜!あはははは!」と笑うしかなかったですね。
ちょっとセリフが聞き取り難い部分があった事、それから政治家絡みの部分は少し見せ方が曖昧だよなぁと感じたのが残念な気がしましたが、非常にプロットのしっかりした、しかも随所でププッと笑える気持ちのいい作品です。 子供にはちと難しいかもしれない?友達とワイワイ言いながら見て、映画見た後に居酒屋にでも行ってビールを飲みながら感想を言い合うのに向いている・・・邦画らしい極上エンターテイメントですよ。オススメです♪
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