2008年03月14日(金) |
バンテージ・ポイント |
監督:ピート・トラヴィス 出演:デニス・クエイド マシュー・フォックス フォレスト・ウィテカー、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 テロ撲滅サミットに出席する為にスペイン・サラマンカに訪れたアシュトン米大統領が、演台で何者かに狙撃された。直後爆破テロが起こり会場は大混乱する。半年前に大統領を庇い自らが銃弾を受け、今回の護衛でようやく復帰したシークレットサービスのバーンズは、前回のトラウマから大統領を守りきれなかった思いを抱きつつも犯人確保に遁走する。だがこの会場にいた様々な立場の8人は、それぞれ全く違った視点でこの事件を目撃していたのだった。
【感想】 米大統領暗殺事件に絡む、ある8人のそれぞれを視点を通して事件の全容を見せるというサスペンスアクション。 出演している役者がナニゲに豪華なのだが、いわゆる「イケメン俳優」がクレジットされていないので、微妙に世間的に扱いが小さい気がしているのはぴよだけなのか・・・某シネコンに見に行ったら、すげー小さいスクリーンでしたよ。
本作は「米大統領が狙撃されるまでの23分間」を、立場の違う8人の視点で何度もフィルムを巻き戻すように見せるというのが一番のキモになっている。 事件というのは、立場が違えば見ているモノも感じた事もまるで違ってくる。映画では最初はマスコミの視点で、そして大統領を護衛していたシークレット・サービスの視点、観光客の視点、地元覆面警察の視点、テロの犯人の視点・・・それを何度も何度も時間を巻き戻して見せて、見せながら少しずつネタを披露し、最終的に8人全ての視点を見た所で真相が明らかになるという構成になっています。
この手の「フィルムを巻き戻して別視点である事象を眺めてみると、違った解釈や事実が発覚する」という見せ方は、過去にいくつも同じアプローチで作られた作品はあるのでそれ程「すっげー!」とは思わないものの(苦笑)、本作は良くも悪くも登場人物のキャラクターや背景をサラリと流して描き込まずに「大統領暗殺事件」という一点に絞っている。 「サスペンスアクション」に的を絞って1時間半程度の短い尺に収めたので、ストレスを感じずに鑑賞出来ますね。
だから「人間ドラマ」部分はいささか弱いから、ドラマ部分を期待している人には物足らない感じ。 キャラとして立っていたのは主人公のバーンズよりも、フォレスト・ウィテカーが演じていた「ビデオマニアな観光客」 彼は単なる観光客という設定だけど、登場キャラの中で一番人物像や背景が判り易く、そしてクライマックスでは意外な活躍をしてくれるというオイシイキャラでした。それにしても彼は本当に演技上手いな。うん。
息詰まる追跡劇や派手なカーチェイスシーンも、スペインの古い街並みの特徴を生かしていて見所充分♪ ・・・だがしかし、たった90分やそこらの映画にしてはカーチェイスシーンは引っ張り過ぎ?あそこまで時間を掛ける位ならもう少しドラマ部分に時間を割いてもらった方が個人的には有難い気がしなくもなかったなぁ〜(苦笑) 描き込みが足らないからなのか?それとも「ハリウッド仕様なんですから仕方ないですね」と開き直っているのか?基本的に話の展開はご都合主義バリバリでツッコミどころ満載ですし(^-^;
まあでもね、非常に良く出来た作品だなーと思いましたね。 最近ハリウッドでは自国の政治家や政治を自虐ネタにするのが流行りなんですか?(笑) 本作でも「をいをい〜」なシーンがありますし、同じシーンの繰り返しだけど「見飽きる」という事もなく、むしろ次はどんな真相が明らかになるんだろう?と楽しみにさせられるような、よく練られた脚本だったと思いますよ。
特に心に残るような手合いじゃないですけどね。お軽く楽しめる娯楽映画としては充分楽しめました♪
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